Snoop Doggが新MVでYoung Thugなどをからかうが、ホモフォビックだと賛否両論!?一歩踏み込んでMVを解説。

 

 

寛容なアンクル・スヌープ

Playatunerでは「新世代を理解できない時もあるが、寛容なスヌープ・ドッグ」通称アンクル・スヌープについて何度も紹介してきた。スヌープ・ドッグは、昔は自分が新しい風を吹き込んだ側だったため、若い世代には寛容な「オジさん」的な立場であった。詳しくは下記の記事がオススメである。

【Uncle Snoop】スヌープ・ドッグ「近年のラッパーは皆同じようにラップする」。ラップゲームで生き残る方法とは?

そんなアンクル・スヌープの新MVが話題になっているのはご存知だろうか?日本のメディアでも取り上げられているので、知っている方も多いと思うが、それをもう一歩踏み込んで紹介したい。先日リリースされ、Playatunerでも一聴レビューをしたスヌープ・ドッグの新アルバム「Neva Left」に収録されている「Moment I Feared」のMVである。今まで何度が紹介してきたスヌープの人気YouTube番組「GGN News」のスタジオをベースに撮影されているMVであるが、新世代ラッパーたちをネタにしているような描写を読み取ることができる。

 

登場人物はこの曲にも参加しているRick Rock、スヌープ、そして新世代ラッパー代表のような架空のキャラ「Fonz Dlo」である。このMVはRick Rockとスヌープのインタビューからはじまる。

 

スヌープ:今のヒップホップに関してどう思う?

Rick:まぁ俺は若者がやるべきことをやってることに関しては理解できるよ。俺らがゲームに入ったときはいつもOGたちがやってることをやろうとしてたけど、そのなかでも自分のマークをつけようとしていたな。ただちょっと違ったよな。爆発的に知名度があがっても、理解できるまで「いや〜」みたいな人はいるからな。

スヌープ:そうだな。皆今までと違う見た目、サウンド、ラップをやってるから、最初はそういう反応になりがちだよな。ヒップホップは「同じ」で会ってはいけないし、同じだとそれこそスタイルを「バイト」していることになるしな。だからオリジナルであるやつらは褒めたいよ。

Rick:そうだな。ヒップホップはいつでも色々な人の「視点」だった。その人の視点が好きでも、嫌いでも、その人自身の「視点」であることが重要なんだ。

スヌープ:今のやつらはめっちゃ爆発的に有名になって、めっちゃ金も稼いでるしな。そういやこの後もあの新世代の「Fonz Dlo」がくるよ。

 

このようなインタビューでMVがスタートする。これだけを読むと、完全に新世代ラッパーたちを応援しているように思える。しかし実際にMVを見ると、ある意味ネタにもしていることもわかる。

話題のFonz Dloが登場するのだが、彼はYoung Thugのようなドレスを着て、彼のかの有名なドレス写真を同じような撮影をする。しかしこのFonz Dloが代表しているイメージは、Young Thugだけではなく、Lil Uzi VertとLil Yachtyのイメージも代表している。

Young Thug:ドレスと写真撮影

Lil Uzi Vert:ロンパー(女性用衣服)と女性用の鞄

Lil Yachty:赤いブレイド髪型

さらにスヌープ、Rick Rockのヴァース両方で

This sucker shit is running rampant, it’s the moment I feared

このダサい状態がコントロールできなくなってる、俺が恐れた瞬間だ。

とFonz Dloを指しながらラップしている。ちなみにこのサビはSlick Rickの「The Moment I Feared」のサンプルとなっている。冒頭では「応援」ムードであったが、なんやかんや今のラップゲームを危惧している雰囲気が伝わってくる。Young Thugが2Pacの誕生日に「俺が新しい2Pacだ。2PacがなれなかったThugに俺がなった」とツイートしたことに対するディスかな?と感じたが、タイム感的にMVの制作に間に合わないので、恐らくこの説はハズレであろう。MVを見てもらえてば、その雰囲気が伝わってくるだろう。そして極めつけが最後の「Fonz Dlo」とのインタビューである。このような内容となっている。

 

Fonz:皆は私がやっていることができないし、私が着ているような服が着れないから、ヘイトするんだ。マイケル・ジャクソンやプリンスは女性用の服きてもヘイトされなかったじゃん!?なんで私はヘイトされるの!?

スヌープ:俺も出てきたばかりの頃は色々な人がヘイトしたし、俺のことを理解できない人も多かった。でもそうやって今の俺があるんだ。お前もそうなるんだ。

Fonz:100点!(100の絵文字クッションを取り出して)

スヌープ:100点… 俺はお前が何をやってても、別に気にしてないんだけど。でも皆が知りたがってるから聞くんだけど、お前はゲイか?

Fonz:ん?この質問を待ってた。そうだよ!私はハッピーだよ!全部欲しいものは手に入れているし。ゲイってハッピーって意味でだよね?(Gayは元々英語でハッピーという意味)

 

Gayという単語の元々の意味は「ハッピー」であり、言葉遊び的な解答をしたFonz。さらに下記の質問でも同じような返答を出す。

 

スヌープ:起きてからまず考えることはなんだ?

Fonz:面白い質問だね。Cock(男性器)かな。

スヌープ:(苦笑)

Fonz:近所の人が飼ってる鶏がうるさくて

スヌープ:ああCockって「Cock(鶏)」のほうのCockか…

 

こちらの質問でもゲイと連想させるような答えを出した。スヌープのことなので、毎度のように特に深く考えずにこのようなシーンを入れたのだと感じる。彼は新世代ラッパーたちが「ゲイ」のようだと伝えようとしているのだろうか?「トランプを撃つMV」の件でも、彼の番組でもそうだが、スヌープは非常に皮肉的な、コメディアン風な感性を持っている人だと感じる。そんな感性的に「面白いから」という理由でこのようなMVを作ったのかもしれない。

しかしこのMVを批判している人たちも米国にはいる。スヌープがホモフォビックであり、ゲイをネタにしているとThe Guardianは報道している。ヒップホップの歴史を見ても、ゲイを告白したラッパーは(Young M.A.以外に)表立ってはいない。マックルモアが「Same Love」を公開したときも、ベテランラッパーたちが怒っていたのを覚えている。トランプを撃つMVの時と同じだが、炎上をしても特に気にせず自分のスタイルを貫くタイプの人なのだろう。

新世代を応援しているのか、ネタにしているのか…考えてみたが、スヌープの場合は「ちょっとネタにしながらも応援している」ぐらいの緩さなのかもしれない。なんやかんやLil YachtyをGGNに呼んだり、Young Thugの新譜にてコラボをしているので、仲が良いことにはいいのであろう。

波紋を呼んだSnoop Doggがトランプを撃つMVの意図を徹底的に考察してみた

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