P-Funkの総帥ジョージ・クリントンが選ぶ偉大なロックバンドとラッパーたち。ジミ・ヘンドリックスから受けた影響を語る。

 

 

P-Funkの総帥

ファンクと言ったらJames Brownを思い浮かべる方が多いかもしれない。James Brownがファンクのゴッド・ファーザーであることには変わりないが、彼だけではなくジョージ・クリントン音楽に残した功績も計り知れない。彼がいなかったら多くのヒップホップ作品も、現代のポップ・ミュージックも存在していなかったであろう。

P-Funkジョージ・クリントン「トランプはFunkを聞いたほうがいい」ファンクレジェンドが語る「団結」

 

そんなファンクレジェンドのジョージ・クリントンであるが、実際に彼の楽曲には「ファンキー」以外のエモーションも込められている。初期の作品は当時のサイケ/ロックのフィーリングも強く、彼がいかに音楽的に幅の広い人物かがわかる。そんな彼はこの度Hot97に登場し、面白いインタビューを提供してくれた。この記事はPart.1として、簡潔に「彼が偉大だと感じるロック・バンド/ラッパー」を紹介したい。

 

Rosenberg:ジョージ的には、凄く偉大だと思うロックバンドは誰?話の流れ的にThe Who?

ジョージ:いや、The Whoは色んなヤバイ演出を初めてやったって意味では影響されているけど、このリストには入らないかな。自分的にはレッド・ツェッペリンは入る。あとはビートルズは絶対に最初にくるよ。でもビートルズはロックでジャムしているところを見たいってよりは、ミュージシャン/作曲者として本当に尊敬しているよ。ツェッペリンはファンカデリックのように「ラウド」なんだ。

でもジミ・ヘンドリックスが絶対に自分のリストでは不動の位置にいるかな。

 

ビートルズ、レッド・ツェッペリン、そしてジミ・ヘンドリックスが自分のリストには絶対に入ると語っている。ジミ・ヘンドリックスに関しては、Funkadelicの初期作品を聞けばいかにジョージ・クリントンが影響されているかがわかるであろう。彼はヘンドリックスについてこのように語っている。

 

ジョージ:Are You Experiencedのレコードは2週間ぐらいずっと聞いてたよ。最初は白人の若者たちが皆聞いていたから、何かが起こっている…と思って聞いたら、自分が何をすればいいのかわからなくなるぐらい衝撃だった。母さんが聞いていたようなブルースなんだけど、ロックのようにラウドだったんだ。その後半年間は、ずっと「Free Your Mind… and Your Ass Will Follow」をやっていた。皆でタブレット(ドラッグ)をいくつか摂取して、3日間スタジオに篭って作り上げたFunkadelicの作品だ。

 

ジミ・ヘンドリックスの「Are You Experienced」のアルバムが、いかに初期Funkadelicサウンドに影響を与えたかを語った。ここで面白いのが「白人の若者」という部分である。彼はインタビューにて白人と黒人のファンク/ロックの関わり方を語っているのだが、それは後ほど別の記事にて紹介したい。さらに彼は「好きなラッパー」について語った。

 

ジョージ:Public Enemyとかも好きだし、ドレーとかもそうだけど、大体のやつらが作品を制作しているのを見ていたからな。だけど、Rakimが俺の心だ。あとはエミネムだ。彼がデトロイトで15歳だったとき、彼のプロデューサーとなるThe Bass Brothersは俺と一緒に音楽をやっていたんだ。The Bass Brothersの最初のレコードは俺と一緒にやったものだった。Rakimとエミネムはやはり特別だと感じるよ。特にRakimほどのラップをしているやつは、今だに出てきていないと思う。もちろん素晴らしいラッパーたちは多いけど、Rakimとエミネムとはビーフしたくないね。

 

彼はRakimとエミネムの名前をトップラッパーとして挙げた。偉大なラッパーの作品の多くはジョージ・クリントンがいなければ実現していなかった、というのがまた凄いところだ。さらに彼は「Wu-TangはヒップホップのP-Funkのようだ」とも語っている。

これはQuincy Jonesにも共通することなのだが、彼らの素晴らしさの一つとして挙げられるのは、常に新しいムーブメントをサポートし、いつの時代も自分がシーン返り咲いているということである。本人によるとドレーやスヌープがP-Funkのサンプルを使用しまくった結果、彼は再度若者たちが多く参加するフェスに呼ばれるようになったのだ。さらにケンドリックのTPABに参加した後も、若者のP-Funkにたいする支持は広まり、彼とIce Cubeをフィーチャリングしたシングルも好調だったと語っている。彼は若い世代に自由に表現させつつ、彼らの良さを心から楽しむことにより、自分も常に「若い」マインドを持つことができているのだ。そんな彼が生きている限り、世界から決してファンクが消えることはないのだ。

P-Funkジョージ・クリントンがFlying LotusやThundercatとの出会いについて語る

いいね!して、ちょっと「濃い」
ヒップホップ記事をチェック!