SZA「ケンドリックの意見を無視した」楽曲Supermodelで彼女がした決断【ショートエピソード】

 

 

個人的2017年のMVP

をあげるとしたら誰にあげるだろうか?2016年にはAnderson .Paakを選んだが、2017年のMVPは個人的にSZAであると感じる。これに関しては、Best of 2017にて書いたのだが彼女は「アーティスト」としての苦悩を赤裸々に公開しつつ、それでも前に進んだ姿がアーティストにとって共感と励みになったと感じる。自分の成長と作品の完成、そしてアーティストとして納得がいくものが作れない苦悩を乗り切り、2017年で最も偉大なアルバムの一つをリリースした。

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今回はそんな彼女の楽曲「Supermodel」についてのショートエピソードを紹介したい。Supermodelと言えば、アルバムのオープニングトラックであり、MVも公開された特別な曲となっている。そんなSupermodelであるが、ケンドリックはこの曲についてとある意見があったのだ。

 

SZAはこの楽曲を完成させ、アルバムに入る楽曲を選ぶ段階では「この曲はまぁまぁ良い」と感じていた。しかしケンドリックの意見は違かった。ケンドリックは「この曲はシングル・カットではなく、アルバム・カットだから、最後の方に収録すべきだ」と彼女に伝えたのだ。しかしSZAは「この曲は他の曲と違うし、特別な”何か”がある」と信じ、頑なに自分の意見を曲げなかった。彼女は「はじめて自分を押し通して正しいと思った瞬間だった」と語っている。

これから学べるのは、恐らく多くの人はケンドリックほどの人物に意見を言われたら、「あぁそれが正しいんだな。自分が間違えている」と思ってしまうだろう。これは人間であればしょうがないことなのだが、自分が「良い」と思っていたものも、尊敬する人に否定されてしまった瞬間に一瞬で思い入れがなくなってしまったりする。楽曲を作る人であれば、このような経験はしたことがあるだろう。しかしSZAは「いや、これはオープニングトラックだ!」と信じることにより、MVにもなる特別な曲となった。そのような力とヴィジョンが「アーティスト」として成長するために重要なのかも知れない。

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