西海岸のモダンファンクシーンが水面下で熱い!【インディーズ】

Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)


 

biupaixfxvzizadpfta3

 

アメリカ西海岸のモダンファンク

世間的には「ファンクは昔の音楽」というイメージが強いだろう。現代はDam Funk等に代表される「モダンファンク」というジャンルがあるが、実はカリフォルニアを始め西海岸にはモダンファンクのインディーズ・レーベルが山程あるのを知っているだろうか?

どれもアンダーグラウンドシーンのレーベルだが、正直ここまでクオリティの高いモダンファンクをやっているシーンはアメリカの他の地域にはないだろう。ヨーロッパにもかなりモダンファンクレーベルはあるが、やはり西海岸の海沿いで生み出されるヴァイブズと比べてみると違いは明確だ。

ぶっといシンセベース、80年代ドラムマシーンの音…

ここでは他のメディアではまず取り上げられないであろうそんな西海岸のIndieなモダンファンクレーベルとアーティストを紹介したいと思う。ほとんどが一般的に知られていないアングラなアーティストであるが、一般的にもウケるポテンシャルを持っていると信じている。

 

 

Voltaire Records


 

まずはサンフランシスコにあるインディーズ・レーベル、Voltaire Recordsだ。Loose Shus、PLAzA、Brian Ellisなどがこのレーベルからリリースしている。サウンド的には「ぶりぶりシンセベース」を扱うレーベルだ。

 

映像のシュールさが80年代を彷彿させる。

 

Brian Ellisはあのストーンズスローに所属するEgyptian Loverとコラボした経験などがある。

Official Website: http://voltairerecords.bigcartel.com/

 

 

MoFunk Records


 

MoFunk Recordsはロサンゼルスのファンクレーベルである。XL MiddletonなどのファンクとGファンクを混ぜたようなアーティストも在籍しており、上記のVoltaire RecordsよりLA感が強い。

 

これなどは”I LOVE CALIFORNIA”という曲でザップの楽曲にG-Funk感をのせたような楽曲である。

 

ラップが乗っているG-Funkをもう少しポップ調にした楽曲である。

Official Website: http://mofunkrecords.com/

 

 

Omega Supreme Records


これはカリフォルニアではなく、オレゴン州ポートランドなのだが西海岸の音を受け継いでいる。K-MAXX、SVEN ATTERTON、TURQUOISE SUMMER等がリリースをしている。

 

曲調もカリフォルニアのファンクに比べて少し落ち着きがあるので、あまりファンク好きではなかったり、ゆっくり聞きたい人にはちょうどいいかもしれない。

 

 

Official Website: http://omegasupremerecords.com/

 

 

PPU


 

これもカリフォルニアからもっと北上したワシントン州のレーベルである。現行のアーティストというより昔のアーティストのアナログなどを復刻したりしている。そのようなこともあり上記のモダンファンクレーベルに比べると音も昔風の良さがにじみ出ている。

 

 

Official Website: http://ppudc.highwire.com/

 

 

More Bounce Records


 

あまり情報が出回っていないので確かではないが、これは恐らくDoggmasterというアーティストが個人でやっているインディーズ・レーベルである。Doggmasterの曲を聞いたり、レーベルの名前を見ればわかると思うが、めちゃくちゃZapp & Rogerに影響されているのがわかる。

ザップにラップや歌をのせたのがDoggmasterである。特徴としてはトークボックスメロディがキャッチーである。

 

 

 

名前からして完全にカリフォルニアのアーティストだと思っていたが、実はフランスのアーティストであった… 音が西海岸っぽいのでそのままこの記事には追加しておく。

Official Website: http://dogg-master.com/

 

 

LayLow inc


 

名前を聞いてわかる人もいると思うが、LayLow incは南カリフォルニアのGファンクをやっている集団である。南カリフォルニア特有のチカーノラップとギャングスタラップを混ぜたスタイルである。トラックとしてはカリフォルニアを感じさせるモダンファンクに近いサウンドとなっている。音的にはLAよりもっと南に位置するOCかサンディエゴらへんだと思われる。

 

 

何故かツイッターのアカウントが鍵アカウントであったりオフィシャルサイトがなかったり、実態がわからないのが難点。

 

 

ファンクは確かに70年代80年代に流行った音楽ではあるが、このように現在アンダーグラウンドで活躍しているファンクを聞くと、「モダンファンク」という形で生きていると感じる。

近年Uptown Funk、ダフト・パンク、ブルーノ・マーズのおかげでファンクが再評価される流れがあるのでこのようなアーティストにも注目が行くといいな、と個人的に思う。

ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington)

カリフォルニア州オレンジカウンティー育ちのラッパー件、Steezy, incの代表。英語でラップをする。FUJI ROCK 2015のルーキーステージに出演したumber session tribeのMCとしても活動をしている。

 

いいね!して、ちょっと「濃い」
ヒップホップ記事をチェック!