LOGICの楽曲「1-800-273-8255」が自殺を予防している。彼の最も重要な楽曲

 

 

LOGIC – Everybody

はLOGICのキャリアのなかで最もヒットした作品となった。初週で25万枚相当の売上を見せた彼のアルバムであるが、「全員」の平等を主張した作品となっている。彼が今まで抱えていた問題、人種的なストラグル、鬱症状、それを乗り越えた自身の道などを歌った作品となっており、今までの彼の作品のなかでは最もコンシャスである。

LOGICが世の中のアーティストたちへメッセージを送る。メッセージの解説と「自分」でいることについて

 

そんな彼がTwitterにて、とある曲を「自身の最も重要な曲」と宣言した。その曲は彼の「1-800-273-8255」という曲である。この曲にはどんな意味が込められているのだろうか?

彼がアップした画像は、米国の自殺予防相談センターのプレスリリースのスクリーンショットであった。彼の楽曲が自殺予防に一役を買っているのだ。「1-800-273-8255」とは自殺予防相談の電話番号であり、LOGICがこの楽曲をリリースして以来、電話で自分の鬱症状や問題を相談する人が大幅に増えたのである。そのクリティカルな相談のなかには、実際にLOGICの楽曲でこの電話番号を知ったという人も多かったと報道されている。

この曲はLOGICが「自殺志願者」としての視点からはじまる。「もう生きたくない。自分の人生が自分のものではないように感じる」というリリックから始まり、この世界に自分の居場所がないように感じると語る。そして2番目のサビでは、「相談オペレーター」の視点で歌われる。「あなたに生きていてほしい。今日死ななくてもいい」と2ndヴァースで歌われた後、3番目のサビでは「生きたい。今日は死にたくない。もう痛みで泣きたくない。」と語られる。

この自身とオペレーターの「多重視点」により、人々が共感し、彼と同じような「人生の底」にいる人たちがこの番号に自分の人生を相談しているのである。やはり「多重視点」が人の共感を集める手法として有効なのだと改めて感じる。このように彼の楽曲がこの電話番号、そして「誰かに相談できる場所」の存在を広め、様々な人の生きる糧になっているのだ。元々マッチョな音楽だと思われている節もあるが、ヒップホップがいかに「共感」という手法で人々の人生を救ってきたかについては、下記の記事がオススメである。

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ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington):カリフォルニア州OC育ちのラッパー兼Playatunerの代表。umber session tribeのMCとしても活動をしている。

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