Nasのビートを選ぶセンスが悪いという議論。皆さんはどう思いますか?

 

Nasのビート選びのセンスが悪い

DJ Vladというインタビュワーの発言がきっかけでそのような議論がアメリカでは行われていることを知っているだろうか?ことの発端はアメリカで人気インタビューチャンネルを持っているDJ VLADが「Illmaticを例外として、Nasが使うビートのセンスが悪い。」と発言したことだ。もちろんNasのリリックやラップの上手さに関しては誰もが賞賛する。Nasが伝説であり、トップラッパーであることは言うまでもない。

この発言にたいして、Nasに複数のビートを提供した経験のあるSalaam Remiが語っている

 

インタビュアー: Nasのビートを選ぶセンスが悪いというか、Jay ZやKanye Westほど楽曲としてのクオリティを安定して出せていないと感じるんだけどそれについてはどう思う?

Salaam:まず第一に、Nasはお前や他の人がどう思うかなんて気にしてない。そういうことを気にしてビートを選ぶ人じゃないんだ。さらに彼のビートを選ぶ基準は、他のラッパーと違う。他のラッパーは曲としてヒットするかとか、好きなサウンドかどうか選ぶかもしれないが、Nasは自分が書いたリリックに合うものを選んでるだけだ。

インタビュアー:ただNasは自分に合わないビートを選ぶ傾向もあると思うんだ。例えばDr. DreがプロデュースしたNas is Comingはあまり好きじゃなかった。

Salaam:他人の目を気にしてたら、お前は誰なんだ?ってなってしまうし、Nasはそんなの気にしてないよ。

 

このように確かにビートが合う/合わないの問題はあるかも知れない。強いて言えばNasはシンプルで、「ザ・90sヒップホップ」というようなビートにのっているときは一番好きだ。しかしNasが「Illmatic」より凄いアルバムを出せないと言ってる人は、一つ素晴らしい作品を作ることの凄さを知らないのだろう。それか単純に自分の好きなアーティストが変化をしていく姿を許容できないのかも知れない。一つだけ言えるのは、Nasは既に「ヒットする」ということを意識してビートを選ぶフェーズを通り越していると感じる。

確かに「It Was Written」は「Illmatic」に比べて少し流行りのマフィアなイメージに仕上げたかも知れないが、彼のラップとしてのアートが失われている作品は今までにない。ここで重要なのは、Nasのリリシストとしてのスキルは、ビートの先を行ってしまったということだ。Nasのラップはアートとして完成されすぎていて、良いビートを選ぶ必要もないのかもしれない。むしろアカペラでも売れるであろう。Nasのビート選びのセンス云々を議論することが、そもそも間違えているのではないか。どうであれ、実際に彼の作品は売れてもいるし、コンシスタントに22年間トップレベルのラップを提供し続けるNasは間違いなく伝説であろう。