Young Thug「Wyclef Jean」のMVが面白すぎる。MVの最大のメッセージとは?

Young Thug

私はあまり彼の音楽を聞かないのだが、一応新作はざっとチェックするようにしている。そのなかで一昨日アップされた彼の新作「Wyclef Jean」のMVが全体的に最高に面白いので紹介したいと思う。楽曲に対する感想や彼に対する好き嫌いは置いておき、MVの中で説明されているシチュエーションなどが面白いので、是非見てほしい。

 

このMVの最大のテーマは「MVの崩壊からのリノベーション」である。

最初のシーンではこのような文言から入る。

 

こんにちは、私はライアン・ステークです。私はYoung Thugとこのビデオを「一緒に」プロデュースしました。でも結局一度もYoung Thugには会っていません。

 

ん?一度も会っていないのか。どういうことだろう。遠隔でCGでも使ったのかな?と思わせるイントロである。当初はYoung Thugから下記のような提案が入り、そのシーンの撮影をすることになったとのこと。

 

子供が乗るような車に女をたくさん乗せて、そのなかの一つに俺が乗るんだ。

 

しかしその撮影にはYoung Thugは現れなかったとのこと。しょうがないからライアンはYoung Thug抜きで女性たちが小さい車を運転しているところを撮影した。ここでこのMVの裏にあったドラマが語られる。

 

Young Thugはこのシーンどころか、MVの撮影に一度も現れなかった…

 

そう、Young Thugは一度もMV撮影に現れなかったのである。一度も現れないYoung Thugを上手く茶化し、最高のMVをつくったライアンの物語となっている。

 

撮影には現れなかったけど、2ヶ月後に何故かYoung Thugがチートス(お菓子)を食ってる映像が送られてきた。

打ち合わせしてもいないシーンを何故か編集のために送るYoung Thug。最高に意味分からないけど、最高である。さらにその次のシーンではYoung Thugのレーベルのマネージャーから

 

Young Thugは近くにいるから準備をしてほしい。また、女の水着は全部赤にしてほしい。

 

と言われた。

 

「編集で赤にするよ」と伝え、Young Thugを待ったが、全く来る気配がなかったので適当にそれっぽいシーンを撮影した。

雑な水着の編集

それっぽいシーン

結局Young Thugは撮影に現れず、最後のシーンの撮影へと進んだ。もちろん撮影は不安であっただろう。最後にやっと現れたかと思いきや、下記のシーンの説明に入る。

 

最後の撮影に10時間遅刻でやっと彼が着いたと言われたので、このシーンは撮影できると喜んだ。

最後のシーン

 

しかし彼は「インスタのアカウントがハックされた」と言い、どっかに去ってしまった。

 

結局Young Thugは現れず、彼が映っているシーンはお菓子を食っているシーンだけとなったのだ。さらにライアンはMVの最後でこう続ける。

 

皮肉にも最初に私が提案したのは「ビデオの予算を全部燃やす」という企画書だった。撮影の帰り道に「Young Thugは撮影した映像を気に入ってくれるかな」とかも考えた。

でも全部関係ないって気がついたんだ。Young Thugは1000万円以上の予算をかけ、撮影に現れなかった。でもこのビデオから学んだのは、現れても現れなくても関係ないし、全てどうでもいいってことだ。

だってこのMVの最後まであなたは結局見てるでしょ?ってことはこのMVは成功したってことなんだ…

 

そう、このMVはまさに「MVの崩壊からのリノベーション」なのだ。普通はアーティストが登場しなかったらそもそも企画倒れだろう。撮影者は泣き寝入りをして、映像はお蔵入りになるはずだ。しかしライアンは、アーティストがMV登場しなかったという経緯をMV内で説明し、いかにYoung Thugの無責任さが面白さに繋がるかということを見せてくれたのだ。結局はYoung Thugが来ても来なくても、どうでもよかったということに気がつくのであった。

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