ストレイト・アウタ・コンプトンのIce Cubeたちの乱闘シーンについてDa Lench Mobが語る
ストレイト・アウタ・コンプトン
の公開からしばらく時間がたったが、N.W.A.のレガシーはいつまでの語り継がれるだろう。この映画のなかでは「Dr. DreとEazy-Eのビーフが描かれていなかった」ことを含め、いくつかの疑問があったのだが、印象的なシーンもたくさんあったので全体的に楽しめる内容となっていた。
その印象的なシーンの一つとしてIce Cube(アイス・キューブ)と彼の仲間たち「Da Lench Mob」がRuthless関連の人たちと乱闘になる上記のシーンである。ソロアルバム「AmeriKKKa’s Most Wanted」の大成功とともにアメリカ中を回るなか、Ice Cubeの身に起きた危険は実際はどのような感じだったのか。こちらのインタビューにて、Ice Cubeの仲間たちDa Lench Mobが語っている。
Da Lench MobのメンバーであるThrei、Shorty、Chilly ChillによるとIce Cubeを「敵」から保護している期間は、人々が想像するよりさらにハードコアだったらしい。大統領の警護に例え、Ice Cubeをビーフ相手の差し金から守るために銃やバットなどを常に持ち歩いていたと語られている。そんなDa Lench Mobのメンバーの一人であるChilly Chillはこう語る。
俺がステージにいるときは、ターンテーブルケースに9mm(銃)を入れておくんだ。そのときはまだターンテーブルケースに銃いれて飛行機の荷台で運べた時代だった。
当時のRuthless Records関連のギャングはEazy-Eに食わせもらっている状態であり、さらにDa Lench Mob関連はIce Cubeに食わせてもらっている状態であったため、戦いが激化していたと語る。また、DJ QuikとMC Eihtがビーフしているときに漂っていた「敵意」は凄まじかったらしい。しかし大人になるにつれ、そのような「ネガティブ」が良くないということに気がつき、ウェストコーストとして団結する必要があったのだ。
今は皆仲いいよ。20年前もの話だし、皆大人になるにつれそういう状況を抜け出さないといけないことに気がついたんだ。例えばDJ Quikが敵対ギャングだったとしても、アーティストとしてリスペクトするのにはそんなの関係ないってことだ。
Eazy-Eが亡くなったときは皆で同じ涙を流した。2Pacが亡くなったときも皆で同じ涙を流した。最終的には皆でウェストコーストなんだ。
Eazyと2Pacのくだりからの「最終的には皆でウェストコースト」という発言がとても印象的であった。こちらのSnoop Doggの記事で語られているように「大人がネガティブを世間に出すのは良くない」ということに気が付き、海岸/文化として前に進んだことがDa Lench Mobのインタビューからも理解することができる。
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