「Ether」はアリストテレスが提唱した第五元素!?B.o.B新アルバム「Ether」のライナーノーツをスニークピーク!

 

Playatunerライナー・ノーツ(通称:Playaライナー)をスニークピーク!7月22日発売B.o.B「Ether」ライナー・ノーツより

 

「Ether(イーサー)」という単語を見たとき、何を思い浮かべるだろうか?

ヒップホップ・ファンであれば、Nasが2001年にリリースした、JAY-Zへのディス・トラック“Ether”を真っ先に思い浮かべるだろう。日本語読みだと「エーテル」と発音するこの単語であるが、神学、物理、化学において様々な意味を持っている言葉である。Nasの「Ether」は化学の分野からきており、揮発性の高い有機化合物を指している。その一方で、今回のB.o.Bのアルバムに関しては神学の分野からきている。

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アリストテレスが提唱した第五元素

神学の分野の「Ether」とはどのような意味なのだろうか?そしてそれがB.o.Bにとってどのような意味を持つのだろうか?それはB.o.Bの近年の活動をおさらいすると見えてくると感じる。神学における「Ether」とはアリストテレスが提唱した第五元素である。「火」「空気(風)」「水」「土」の四大元素に加え、「天体」を構成するものとして彼が提唱したのが「Ether」だ。実際には化学と物理分野の「Ether」の語源もこちらである。

ここで当然思い出すのが、B.o.Bが2015年から2016年にかけてリリースした4つのミックス・テープである。そう、その名も「WATER」「FIRE」「EARTH」「AIR」であり、さらにはそのまとめとして「ELEMENTS」というコンピレーション・アルバムも出している。アルバム「Ether」はその元素シリーズ第五番目の作品であり、唯一ミックス・テープではなく「アルバム」としてリリースされた作品である。B.o.BはFuseのインタビューにて「Etherとは、全ての物質やエネルギーが動く精神/魂の領域であり、東洋でいう”氣”のようなものだよ」と語っている。「Ether」は彼の元素シリーズのグランドフィナーレであり、「実際には見えない領域」に手を出した彼の今後のスタンスを示した作品なのかもしれない。

B.o.Bと言えば、世間からすると“Nothin’ on You”や上記“Airplanes”などの、メインストリームにウケるポップ・チューンのイメージが強いだろう。しかし彼はこの元素シリーズでは、そのイメージとは裏腹に、イルミナティ、政府の陰謀、化学の嘘などのトピックについてラップしている。むしろほぼ全曲がそのような内容となっており、「この世界の嘘をこのミックス・テープで全部暴いてやる」と言わんばかりのコンセプトとなっている。

アルバムのイントロは「ファンからメール」という内容で、「お前の陰謀論なんて誰も聞きたくないんだよ」、「昔は良い内容だったのに、今ではお前の曲買うのは金の無駄だ」」と言ったリリックからはじまる。メインストリームのイメージが強かったB.o.Bのようなアーティストが、自分が感じている「世の中への違和感」を表現をすると、このような反応が世間から返ってくるのだ。

ライナー・ノーツの続き、「Ether」を考察した内容全編は、7月22日発売のB.o.B「Ether」国内盤をご覧ください!

ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington):カリフォルニア州OC育ちのラッパー兼Playatunerの代表。umber session tribeのMCとしても活動をしている。

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