Statik SelektahがJoey Badas$$とJ. Coleの「Legendary」のビートメイキングを解説。参考になるテクニックも紹介
Joey Bada$$
のAll-AmeriKKKan Bada$$はとても良いアルバムであったと感じる。ヒップホップファンの話題は完全にケンドリック・ラマーの「DAMN.」であるが、この作品も忘れてはいけない。初週の売上的には1stアルバムのほうが売れているので、実際に評価は人による作品なのかも知れないが、私の個人的な第一印象は「大人になったなぁ」であった。
そんなAABA内で話題となったのがJ. Coleをフィーチャリングしている「Legendary」である。ジョーイによると、J. Coleはもう他アーティストのフィーチャリングはやらないと公言しているらしく、この曲が最後のJ. Coleフィーチャーになるようだ。このトラックをプロデュースしたStatik Selektahが面白い解説をしてくれているので紹介をしたい。
Statik Selektah: 俺は基本的に昔のJazzとかソウルからインスピレーションを得ているし、ハードコアなレコードコレクションを持っているんだけど、この曲に関してはJazzでもソウルでもなかったんだよな。Casがこのサンプル元のレコードにフックアップしてくれたんだ。こいつはレコード探しに図書館に通うようなやつだ。これは南アフリカのジャズミュージシャンAndile Yenanaの曲だ。
(埋め込みができない動画なので元ネタはこちら)
さらに彼はStatik Selektah流のトラックメイキングをこのように語る。
Statik: 俺はベースラインが大きいのが好きだから、ベースラインだけを808で補強するんだ。どうやってやるかと言うと、メロダイン(ピッチ解析/補正ソフト)にサンプルをインポートするんだ。そうするとメインのノート(ベースライン)を表示してくれるから、それを808のベースで補強するんだ。808のベースは予めピッチングしておく。
Statik Selektahはこの手法を頻繁に使用するらしい。ベースラインを耳コピすればいいのでは?とは思ったが、耳コピができなかったり、細かい箇所を調べるにはもってこいの手法なのかも知れない。特に今回のサンプルではほぼベースラインしか鳴っていないので特に必要はないかもしれないが、今後もっと複雑なパートからサンプリングをする場合にはこの手法は有効かもしれない。
このビートはジョーイが完成させた直後にNasのマネージャーから「Nasがこのビートを欲しがっている」と連絡がきたらしく、Nasはまたもや良いビートをゲットする機会を逃したらしい。
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