LOGICのアルバム「Everybody」のオチとなる、とあるサプライズとは?J. Coleからのアドバイス

 

アルバムのオチ

近年ヒップホップでは再びコンシャスな内容が多くなってきたと感じる。政治情勢が変わると、音楽というものも変わる。To Pimp A Butterflyをはじめ、Joey Bada$$を含め数々のラッパーたちが政治やマイノリティをテーマに作品をリリースすることが増えたと感じる。

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そのなかで5月5日にリリースされたLOGIC(ロジック)の最新アルバム「Everybody」もその流れに含まれる作品であろう。こちらは黒人と白人のハーフでありながらも、見た目はほぼ白人とされるLOGICならではのストーリーであり、「どんな見た目、考え方、宗教感でも”人”としてリスペクトするには関係ない」という内容になっている。前アルバムの「The Incredible True Story」は近未来に地球が滅び、「パラダイス」という惑星に移住する人たちを描いている。パラダイスに移住した後のコンセプトが今作である。パラダイスでは「人種」という概念が無くなったため、今作のアルバムカバーの絵画が過去の資料として、未来人たちによって保存されているという設定となっている。

そんなアルバム「Everybody」のラストトラック「AfricAryaN」が現在話題になっている。こちらではLOGICが最後のアルバムになるとアナウンスしているのだが、12分間の楽曲にはそれ以外のオチもあるのだ。「AfricAryaN」とは黒人と白人であることを表しているとLOGICは語っているが、9:25時点でフィーチャリングに名前が載っていないJ. Coleが、突如とてもローファイな音質で入るのだ。そこでJ. Coleが語ったリリックを紹介しようと思う。

 

My advice, fuck the black and white shit
Be who you are, identify as a star
No one tells you you’re that

俺のアドバイスは「黒とか白とか気にするな」ということだ
そうではなく「自分」が「スター(星)」であるということで自己認識をしよう
誰もそういうことは言ってくれない

 

黒人の血をひきながらも白人として扱われてきたLOGICの悩みに対して「色や見た目ではなく、自分が今まで残した功績で自己認識をし、誇りを持て」とアドバイスしたJ. Cole。これは現代に最も必要なメンタリティなのかも知れないと感じる。さらにはこのように締めくくる

 

Let me tell you now, you’re worthy enough
Fuck approval from strangers, that shit is dangerous as hell
Find God, learn to accept yourself
And I’m gone, accept Him.

一つだけ言っておく、お前はとても価値のある人間だ。
他人からの評価/賞賛なんて気にするな。それはとても危険なことだ。
神を見つけて、自分自身を受け入れよう。
俺はここで去る。そして彼を受け入れよう。

 

LOGICが2つのアルバムにて伝えようとしていた最大のメッセージを、なんとJ. Coleは2分のヴァースでまとめてしまったのだ。このようにしてみると、LOGICが伝えていたメッセージを簡潔に理解することができる。上辺だけの「他人からの評価」ではなく、自分自身であることを受け入れることが大切だということが伝わってくる。Run the Jewelsのアドバイスもそのようなものであった。

そしてアルバムカバーの右上にJ. Coleが座っていることに気がついただろうか?それも合点がいく。

Everybody

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