Run The Jewelsがアーティストへのアドバイス「他人の目なんてFuckだ。」

 

先月のクリスマスイブに新譜「Run The Jewels 3」をリリースしたRun The Jewels。

彼らはこのアルバムのプロモーションのために行われたPitchforkのインタビューにて、2016年の混沌とした状況がこのアルバムの制作を進めてくれたと語っている。このインタビューの終盤にて、El-Pが自身の人生とキャリアがここ数年でどう変わったかを語っているので紹介したい。

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Interview from Pitchfork

 

(大人になり、以前と変わったことはありますか?という質問にたいして)

EL-P: 35歳になってアーティストをやっていると、大体一回は「もう駄目だな」って思うときがあるんだ。それが俺にとっては2008年だった。友人であり、ラッパーでもあったCamu Taoが亡くなって、彼の遺作をまとめた後にもう色々わかんなくなってしまったんだ。お金もないし、方向性も見失って、自分にはもう何もできないんじゃないか、と思いはじめてきた。

「次の作品が最後だ」と友達にも話していたし、音楽業界に自分の居場所がないようにも感じていた。同じようなタイミングでKiller Mike(キラーマイク:Run The Jewelsでの相方)に出会って、お互い「業界にしがみつくなんてどうでもいい。もう全部FUCKだ。」みたいな勢いで音楽を作っていったんだ。

 

友人が亡くなり、財産も音楽をつくる気力を失ってしまったと語るEL-P。しかし彼は生まれ変わったのだ。

 

EL-P:他人から見て「良い作品」をつくろうとするのをやめたら、生まれ変わった気がするんだ。俺はそれまでは「他人を喜ばすための音楽」をつくることにずっと集中していたことに気がついた。「全部FUCKだ」って感じで、自分の心行く形で作ったらメンタル的にも上手く行くようになったんだ。アーティストにアドバイスがあるとしたら、他人の目をいちいち気にして活動するのはやめたほうがいいってことかな。

Killer Mike:もしあなたが今13歳であっても、今すぐに他人の目を気にするのをやめろ。

EL-P: 曲の構成がこうあるべき、みたいな意見も気にするのをやめろ。

 

他人の目を気にするのはやめろ、というアドバイスをするEL-P。私の周りでも他人や、ちょっとした業界人の無責任なアドバイスにより、自分のことがよくわからなくなってしまうアーティストはたくさんいる。アドバイスや他人の目というものは、自分に合うかどうかを見極める力がないと、活動のプラスにはならないと感じる。特にこのような「アートとしての音楽」であれば、なおさらであろう。ちょっとヒットをして、5年後には消えるのが目標であれば他人のための音楽を作るのがいいと思われるが、常に新しい音楽の形が出ており、許容されている現代では「自分自身」を100%に出していくのが一番の近道だと感じる。

ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington)カリフォルニア州オレンジカウンティー育ちのラッパー兼、Steezy, incの代表。英語でラップをする。FUJI ROCK 2015のルーキーステージに出演したumber session tribeのMCとしても活動をしている。