Talib Kweliの名曲「Get By」は元々マライア・キャリーが使用するはずだった?カニエ・ウェストがプロデュースした当曲のストーリー
人々の生活をフィーチャー
した名曲。ヒップホップに関しては様々な曲が思い浮かぶが、そのなかで最も印象的なのがTalib Kweli(タリブ・クウェリ)の「Get By」である。
この曲は人々の生活、大変な現実を受け止め、毎日を生きる人たちについて歌った「ソウル」であり、Nina Simoneのサンプルが光っている名曲であると感じる。サビで感じることができるゴスペルも、心にグッとくる要因の一つである。
そんなGet Byであるが、実はマライア・キャリーが使用する予定だったということを知っているだろうか?TalibがComplexにて語った、この名曲の裏にあるストーリーを紹介したい。
Talib Kweli:当時はカニエがスタジオによく遊びにきて、ビートを色々再生してたんだ。そのなかでGet Byのビートを流してくれたんだけど、その後1週間ぐらいずっと俺はそのビートを聞いてたんだ。気に入りすぎて彼に「このビートがほしい」って電話をしたんだけど、彼は「このビートはファロア・モンチとマライア・キャリーのどっちもが今予約中だから、もし彼らのどちらかが確定したら彼らどちらかのものになっちゃうよ」って言ったんだ。
そこから数週間が経って、頭からそのビートが離れないから何回も聞いたんだ。心があのビートから離れないいから、あのビートをゲットするのが運命だと思ったんだ。だから何日もカニエに電話して「マライアから返答あったか?あのビートが必要なんだ。どうなの?」ってビートのためにストーカーのように連絡しまくったんだ。そして2ヶ月後、彼から「よし、一緒にやろう」って返答がもらえたんだ。
元々はマライア・キャリーとファロア・モンチのどちらかが使用する予定であった語った。このビートの上に乗るファロア・モンチの変則的なフローも聞いてみたかったが、タリブがこのビートをゲットできて本当に良かったと感じる。さらにこの曲の制作プロセスを語った。
Talib Kweli:彼がその言葉を言った日に、俺は2つのヴァースと「Just to get by, Just to get by」ってところを書いた。サビはカニエが書いて、俺がラップをレコーディングした後に彼をスタジオに呼んで聞かせたんだ。そしたら彼は「ゴスペルのフィーリングを入れて、Harlem Boys Choirに歌ってもらおう」って言ったんだ。素晴らしいアイディアだったんだけど、彼らのギャラが高かったから実現しなかったんだ。
カニエがサビを書いたから、カニエがサビを歌っているバージョンが存在していて、俺はそれを1ヶ月ぐらい聞いていたんだ。俺の友達のKendra Rossに聞いて、彼女の教会友達を呼んでもらい、今のGet Byができたんだ。
この曲のサビはカニエが書いたのだが、彼のメロディセンスを見ることができる。さらにカニエがサビを歌っているバージョンもあるらしく、それも気になる内容となっている。この名曲の裏には、Talibのトラックにたいするコミット力と熱意がこもっており、自分が納得いく作品をつくることへの強い想いを感じることができる。「カニエはRawkusと契約したがっていたが、Rawkusの人たちはカニエのラップが気に入らなかった」とTalibは語っているが、カニエは後にJay Zのロッカフェラ・レコードの一員になるので、それはそれで良かったのかもしれない。カニエの1stアルバムについては下記の記事がオススメである。
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