【RIP Prodigy】50 CentとThe RootsのBlack Thoughtがシェアしたストーリーから見るProdigy。
ヒップホップ業界はレジェンドを失った
本日のヒップホップ界は悲しみにくれていた。私たちは本日90sヒップホップサウンドを語る上で、最も重要と言っても過言ではないヒップホップデュオのメンバーを失ったのだ。Mobb DeepのProdigyが亡くなり、彼の代理人が声明を公開した。彼は生まれたときからSickle Cell(鎌状赤血球貧血)という病気を患っており、42年間ずっと戦い続けたのだ。
Prodigyの死を受け、様々なアーティストがSNSで彼とのストーリーを紹介しているのだが、そのなかでも印象的なのをピックアップしたいと思う。それを見ると、彼がどのような人物なのかが見えてくる。まず紹介したいのは50 CentとProdigyの話である。
Mobb Deepといえば、2005年から2009年に間50 CentのG-Unit Recordsに所属していた。50 Centはこのようなストーリーを公開した。
➖ 警察が俺をハメるために、Prodigyの協力を得ようとした時があった。警察はProdigyに「50 Centは銃やドラッグを持ち歩いてるか?」と聞いたんだ。さらにProdigyに「銃を50 Centの車に仕込んでほしい」と頼んだんだ。でもProdigyはそれをするどころか、それを全部拒否をし、逆に警察が何を企んでいるのかを俺に教えてくれたんだ。
このエピソードだけでも、Pがいかにロイヤルであり、「リアル」であるかがわかる。これがいつの出来事かはわからないが、彼は仲間を売ることをしないのだ。このように警察とのエンカウンターがあったということは、Prodigyが2007年に逮捕され、収監されたときではないかと予想ができる。警察との取引よりも、仲間を優先したProdigyのパーソナリティを垣間見ることができる。
そしてもう一つ紹介したいのが、The RootsのBlack Thoughtの話である。Black Thoughtはトップレベルのラッパーだと感じるが、Black ThoughtはMobb Deepに関してこのように語っている。
➖ この写真は2週間前にポストしたばかりなのに…彼は自分の中では確実に最高のラッパーの1人だ。昔Matty C(レーベルのA&R)が当時まだ未リリースだった「The Infamous」の曲を聞かせてくれた時、「こいつらはヒップホップ業界を変えるぞ…」と思ったのを覚えている。Queensbridgeキング。
2週間前のRoots Picnicにて共演していたThe RootsとMobb Deepであるが、Black Thoughtは当時「The Infamous」を聞いたときの印象を語った。「こいつらはラップゲームを変えるぞ…」Black Thoughtが感じたことは正しかった。彼らの「The Infamous」はWu-Tangの「36 Chambers」とNasの「Illmatic」と共に、90sヒップホップのサウンドを形成したアルバムである。むしろ90sの東海岸ヒップホップのランキングを作るとしたら、トップ3はこの3つになるのではないだろうか?あのスーパーリリシストのBlack Thoughtが「彼らのラップは業界を変える」と言うということは、よっぽどのインパクトである。
42年間病気/業界/システムと戦い続け、業界を変えるラップを世に出してくれたProdigyに感謝をしたい。
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