Eazy-EのRuthless Recordsを巡って妻と息子が争う。自分の作品をコントロールするということ

 

 

ヒップホップレーベル

というと「アーティスト/アントレプレナー」以外にも、もう一つイメージがある。それは何かしらの原因で争っているということだ。それはサンプルの権利問題であったり、アーティストとの金銭トラブルであったり、権利トラブルであったり、理由は様々だ。ヒップホップレーベルに限ったことではないかも知れないが、このような問題はPlayatunerでも頻繁に取り上げてきた。そんななか、ヒップホップ史上でレーベルとアーティスト間のトラブルと言ったらRuthless Recordsの一件を思い浮かべる方も多いだろう。

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そんなRuthless Recordsであるが、この度再びトラブルが起きている。Ruthless RecordsはEazy-Eの奥さんであるTomica Woods-Wrightが所有しており、「Compton Records」という名前で活動している。しかしEazy-Eの息子Eric Darnel Wright(a.k.a. Lil’ Eazy-E)もRuthless Records, inc.という別会社でレーベル活動をしているのだ。その活動を受けて、妻TomicaはLilイージーを訴えるとビルボードが報道している。

LilイージーはTomicaの義理の息子に当たる人物であり、ラッパーとしても活動をしている。Ruthlessの権利はTomicaが所有しているにも関わらず、LilイージーはRuthlessのロゴが入ったグッズなどを販売しているのだ。LilイージーのほうのRuthless Recordsのサイトでは「伝説のギャングスタラッパーのEazy-Eが設立したレーベルであり、今までとは違う新しいマーケティングや音楽制作をするブランドである」と紹介されている。

 

亡くなったアーティストのトラブル

亡くなったアーティストの周りで起こるいざこざは非常に残念である。実際に2人がEazy-E本人とどのような関係性であったのかはわからないので、なんとも言えないが、亡くなったアーティストが残した功績とネームバリューを巡って争うのは、あまり見たい光景ではない。(今回の件に関してDaz DillingerはRuthlessは妻のものではないと語っている)争いでなくてもそうだ。2Pacも亡くなった後、様々な私物がオークションに出品されたり、未発表音源がリリースされている。当たり前であるが、他界してしまったら自分の作品をコントロールすることができない。そのため様々な人が金のために「本人が生きていたら、絶対にしなかったであろうこと」をし、ときには亡くなったアーティストのレガシーに傷をつける可能性もある。生きている間に自分の作品をコントロールする必要性については言うまでもないが、アーティストであれば亡くなった後に自分の作品がどうなるかを常に考え、記録に残しておく必要があるのかもしれない。

今回はLil’ Eazy-Eと妻Tomicaの間のトラブルであるが、Lilイージーが負けた場合は今後父と同じような活動をするだけではなく、自分のスタイルを追求してみてもいいかもしれない。Straight Outta Comptonのリミックスをそのままやるより話題になるであろう。

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