【オールドスクール】The Friends of Distinction – Nujabesもサンプルしたボーカルグループ
Writer: 渡邉航光
オールドスクール
ブラックミュージックにおいては現行のアーティストを追うことは確かに大切であるが、昔の音楽をディグることもとても大切である。サンプリングなどにおいて「縦の繋がり」が明確に見えるジャンルはなかなか他にはないだろう。
そんな想いもあり、Playatunerでは「昔の作品」をレビューしたり、オールドスクールなアーティストを紹介したりしている。今回はNujabesもサンプルしたボーカル/ソウルグループ
The Friends of Distinction
The Friends of Distinction(フレンズ・オブ・ディスティンクション)は1968年に結成されたボーカル/ソウルグループである。The Friends of Distinctionの前身となるThe Hi-Fi’sはレイ・チャールズの前座を頻繁に努めていたグループである。Earth, Wind & Fireを発掘したアメフト選手ジム・ブラウンによって見出され、RCAレコーズと契約に至った経緯がある。デビュー以降は上記のGrazing in the Grassや下記のGoing in Circlesなどのヒット曲を飛ばし、一躍有名になった。
女性ボーカルのうちの一人、Barbara Jean Loveの妊娠を受けメンバー変更を行った後も「Love or Let Me Be Lonely」などのヒット曲を生み出したが、残念ながら1975年には解散となってしまった。オリジナルメンバーのジェシカ・クリーブスは解散した後もEarth, Wind & Fireに参加したり、ジョージ・クリントンの「Computer Games」、「R&B Skeletons in the Closet」、「Dope Dogs」にボーカルとして参加している。
近年復活を試みていたThe Friends of Distinctionであるが、ジェシカを含むメンバーのうちの2人が心臓発作で亡くなってしまったため叶わぬ夢となってしまった。
近年の再評価
近年再評価されているのであるが、その理由の一つとしてはあのNujabesがサンプルしたということもあるであろう。私個人的にはThe Friends of Distinctionではこの曲が一番好きである。
特に最後の「この愛を繋ぎ止めないと、ここで死なせるわけにはいかない」というフレーズで歌われる追い上げがグッとくる。複数人のボーカルからくるこのパワフルなリリックを含んだフレーズは頭から離れない。そしてこの曲をサンプルしたNujabesの曲がこちら。
ヒップホップのサンプルに否定的な人も世の中にいるが、このようにして今になって昔の偉大アーティストが再評価されるのはとても美しいことだと感じる。このようにしてブラックミュージックラヴァーの心の中に永遠と生き続けることができるのがヒップホップサンプルの素晴らしさであろう。
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