OutKastのAndre 3000とYoung Thugから見る「人と違うことをする勇気」

 

 

偉大なアーティストたち

の共通点はなんだろうか?様々な解答が浮かび上がってくる質問であるが、そのなかの一つが「誰もやっていなかったことをやってのけた」ということであろう。人と違うことを発案し、今まで誰もやっていなかったことをスタイリッシュにやる…それがもしかしたら「偉大」であることの一つの条件なのかもしれない。そのような意味で、Playatunerでは幾度となくOutKastを「偉大」と表記している。

OutKastの名アルバム「Stankonia」は◯◯に影響された。

そんなOutKastの「一般的には変な人」と言えばAndre 3000であるが、彼のオリジナリティと常に新しいことをやる拘りは素晴らしい。そんな彼がComplexのインタビューにて、興味深いことを語っていたので紹介をしたい。

 

Andre:Young Thugはとてもエキサイティングだよ。彼には「箱」というものが存在しないから、様々なことに手を出しまくっている。よっぽどの肝っ玉がないと彼のようなことはできない。ハードなふりをすることよりよっぽど難しくて勇気がいることだよ。人々の心をファックしているようなものだ。「俺にあまり近づかないほうがいい」って言ってるみたいにね。それが俺のモットーの一つなんだ。自分がやっていることに人々に近づかせすぎないようにする。

 

箱に囚われずに、人と違うことをやるYoung Thugを超エキサイティングだと語った。彼のようなことをやるには「肝っ玉」が必要だと語っており、まさにアンドレは自分の若い頃を彼に投影しているようにも思える。アンドレも常に人々と違う格好や音楽をやってきた男である。典型的な「ラッパー」の格好を辞め、カラフルでオリジナルなファッションを取り入れ始めたとき、周りのラッパーたちから「アンドレはゲイなのか?」と言われていたのだ。まさにYoung Thugのドレスの件と同じ反応である。

アンドレにとって一番怖かったのが「Hey Ya!」をリリースしたときだったらしい。こちらの記事にも書いたが、彼はこのように語っている。

ラップの世界は全員険しい顔をして、タフになりたがっているんだ。そのなかで自分はそれとは違う新しいことをやろうとしているんだ。神経にくる。

「人と違う」ということ、そして自分が思ったことを正直に表現することには相当な「勇気」がいるのだ。ラッパーの典型的なイメージを追いかけるより、それとはかけ離れた「自分の表現」を正直に披露するほうがよっぽど「勇気」がいるのかもしれない。「自分に正直に表現する」という意見はヒップホップ内でも頻繁に見られるが、そのように勇気を出して新しい表現をしたアーティストたちには批判が集まる。もちろんヒップホップには空手の型みたいなものもあると思うのだが、「Express Yourself」が重要なキーワードとなっている割には、案外「同調圧力」的な側面もあるのかもしれない。カウンターカルチャーとして成長してきたヒップホップへ、さらにカウンターする者が出てきても不思議ではないと感じる。

「箱から飛び出して生まれたカルチャーが段々と”箱”そのものになっていき、さらにまたその”箱”から飛び出して新しいことをやる人が出てくる」というマトリョーシカ的な構造は非常に興味深い。何にせよ「アーティスト」であれば、自分が作っていて幸せになれるような表現をして欲しいと感じる。

OutKastのAndre 3000「Hey Ya!をリリースするのを恐れていた」アーティストとして克服する恐怖

いいね!して、ちょっと「濃い」
ヒップホップ記事をチェック!