Wale「もう疲れた。この音楽業界に魂を吸い取られる。」J. Coleのヴァースから彼が抱える悩みを考える
常に業界の問題について語ってきたWale(ワーレイ)
Waleは常に業界の偽りやアーティストにたいする扱いについて語ってきている。彼はオバマ氏がプレイリストに入れるほどの人気を誇っているが、自分のポジションに満足する姿は見せない。彼は既に消されたインスタグラムの投稿にて、音楽業界にたいして語っている。
もう疲れた。この音楽業界は魂を吸い取るように出来ている。謙虚で質素なやつに対してのリスペクトなんてない。何かを要求して、それにやっとの想いで答えたら、平気で何もなかったかのように振る舞うんだ。
このように音楽業界がいかにアーティストをリスペクトしていないかと語る。さらにはヒップホップファンとしては心配になる発言をする。
あいつらはアーティストを殺して、死んだらやっとリスペクトしはじめるんだ。
このような発言を見ると以前「ヒップホップの鬱症状」という記事でも書いた通り、今まで以上にファンが支える必要があると感じる。さらにJ. Coleが「4 Your Eyez Only」にて語っているように、亡くなってやっと「伝説」として扱われるようになるという発言も、真実なのかもしれない。
そんななか、J. Coleが去年の公開した曲「False Prophets」にて、Waleに向けて書かれたと思われるヴァースを思い出す。
俺には勝つことにこだわっているラッパーのホーミーがいる。既に持っているのに、彼は知名度もリスペクトを常に欲しがっている。レジェンドに認められても、いつも「リスペクトされていない」とストレスを感じているから悲しくなってくる。目の前に彼の音楽を求めているたくさんファンがいるのに、それが見えていない。
J. ColeはこのヴァースをWaleについて書いたと言われているが、本当にそうだと感じる。彼は素晴らしいファンベースもあるし、素晴らしい音楽もリリースしている。彼の音楽で救われた人も多いだろう。オバマ氏のプレイリストにも入るレベルのリスペクトと言ったらかなり大きいと感じる。その上で彼はさらに上を目指したいのか、現状の自分の音楽をリスペクトしている層が見えていないのか、という疑問が思い浮かぶ。確かに業界にはさまざまな弊害や、アーティスト活動を邪魔するような要因がある。そのような「ノイズ」を排除をし、自分が自由に音楽をつくる、という活動方針にするほうが向いているのかもしれない。精神的にまいってしまっているかもしれないWaleであるが、今後も彼の音楽に自信をもって活動してほしいと感じる。自分を信じて「ノイズ」を排除するということの大切さを教えてくれる。
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