【なんで】TDEの「スタジオ内でのルール」を日本社会/オフィスマナーに置き換えてみた【置き換えた】

 

 

スタジオ内で何が起こっているのか

アーティストのファンにとっては、スタジオ内で何が起こっているのかは気になるポイントだ。独自のこだわりを持っているラッパーもいれば、どんな環境でもやってのけるラッパーもいる。彼らのスタジオセッションを見ていると、様々な制作プロセスを見ることができるので、とても面白い。

ラッパーたちがスタジオで製作している映像を見てモチベーションを上げよう!

 

そんななか、ScHoolboy QのインスタにてTDEのスタジオに貼ってある「ルール」がアップされており、この話題はヒップホップファンたちを湧かせた。元々は単純に「そのルールが面白い」という記事を書こうと思ったが、既に他社メディアさんでも取り上げられていたので、何か捻りをきかせることはできないかと考えた。

考えた結果「このルール、フザケてるように見えるけど、案外日本のオフィスにも通用するんじゃないか?」という発想が思い浮かんだ。この「ルール」を紹介しつつ、(何故か)日本社会とオフィスマナーに置き換えてみたいと思う。

 

其の一:スタジオ内では撮影禁止!


 

これがスタジオルールだ!ビッチ!

1. もしお前がホーミーじゃない限り、スタジオの様子をインスタするな、気味の悪いやつめ!お前のツイッターを見たときに、俺らの写真がアップされてるなんて気持ち悪いことは見たくないからな!むしろ、スタジオ内ではツイッターもインスタも禁止だ!「這い上がってきた金持ち共と一緒にいることに慣れてます」みたいな態度をとれ!

 

このルールに関しては、口調は面白いものの、かなりまともなことを言っている。新卒で就職した経験がある方であれば、「新卒研修」で似たようなフレーズを聞いたことがあるだろう。「会社」に就職すると、社内の情報がいかに重要かを教わる。一つの情報漏えいが、競合会社との勝負に負ける原因になるのだ。経営者やスタートアップであれば、社内の写真などをSNSにアップする場合もあるが、それに関しては「何をアップしてよくて、何をアップしてはいけないか」の情報共有が逐一できているからだ。

言うなれば、スタジオでケンドリックやQなどがレックしている動画をアップするということは「部長とミーティングなう!」と言って会議の様子をインスタストーリーにあげるようなものである。もちろん「これはアップしていいやつ」というマーケティングの一部としてアップするものもある。

 

其の二:いじり


 

2. もし出会ったばかりのホーミーたちがお前のことをイジりはじめたら、耐えろ。クリエイティブプロセスの一部だから。

 

アメリカに住んだことがある方であれば伝わるかも知れないが、案外スパルタ/弱肉強食な部分もある。もちろん全員にたいして同じリスペクトを込めるコミュニティもあれば、明らかにイジってくるコミュニティもある。「イジり/ネタでディスり」は特にフッド出身の若いラッパーたちにとっては自然の一部であり、それでお互いの信頼関係を保っている場合もある。私が外国人しかいない会社で働いていたときも、このような一時的なイジりが横行しまくっており、全員が全員をイジっているジョークだらけの状態であった。全員が同じ目線に立ってイジっていたので、自然と腹が立つことはなかった。もちろんエスカレートするとよろしくない。

これを日本社会に置き換えると「上司からイジられてるけど、上司だし我慢しないと…」という方もいるだろう。もちろん大学のサークルのように皆でワイワイやっている場合もあるが、オフィス環境で「我慢しろ/耐えろ」という状況は日本だと珍しくないのではないだろうか?TDEのスタジオにいる場合、耐えることによって逆にさらに楽しい時間を過ごせる可能性があるし、TDEメンバーの制作の一部になれる可能性もある。しかし、もし働きたくもない職場でそのような扱いを受け、腹が立つ場合は耐えずに辞めることをオススメする。仕事だからと言って、不快な想いを我慢することに意味がない時代になっていると感じる。

 

其の三:喫煙


3. Qのウィードを一切触ったり、もらっていいかを聞くな。彼がお前にあげてもいいと言うぐらい、お前がクールじゃないと駄目だ。ここでは共有のウィードはなく、個人のやつしかないんだよ。

 

Qが「お前クールだから俺の吸う?」と聞かない限り、Qのウィードには手を伸ばしてはいけないのだ。TDEには「個人が仕入れたやつ」しかなく、スタジオにおいてあるものは勝手に吸ってはいけない。Qの信頼を得ることができれば、吸わせてもらえるというシステムだ。

日本ではウィードは固く禁止されているが、社内のタバコ休憩に関して似たことが言えるだろう。社内に共有のタバコなどなく、勝手に人のタバコを吸ってはいけないのだ。しかし日本には「タバコミュニケーション」というものがあるので、上司のタバコ休憩などについていけば、一本もらえる可能性がある。どちらにせよ、「信頼関係」が重要になってくる。Qと同じように、タバコを貰えるぐらいの信頼を築けるか?が肝となってくる。

 

TDEスタジオのルールの基本的なところを紹介しつつ、日本のオフィス環境に置き換えてみた。書いてみた印象としては「なんのこっちゃ!」である。しかし「TDEのスタジオセッション」という貴重な時間をす過ごすためには、かなり厳しい(?)ルールがあり、いかに彼らが「ヒップホッププロフェッショナル」かがわかる。もし皆さんがTDEのスタジオにて仕事をする機会があったら、上記を気をつけていれば大丈夫だろう(?)イケてるスタジオの様子は下記の記事でも見ることができる。

Stones Throwがレーベルのスタジオを紹介する映像がテンション上がる。所属アーティストたちが語る!

いいね!して、ちょっと「濃い」
ヒップホップ記事をチェック!