DJ TrackstarがRun the JewelsのDJに就任した経緯が非常に面白い【ヒップホップドリーム】

 

 

またまたヒップホップドリーム

のエピソードとなった。アーティストがどのようにして機会を掴んだか、このようなエピソードは今はまだ水面下で活動するアーティストたちのモチベーションをアップするためにも、広くシェアすべきだと感じている。以前は「Mobb DeepがQTipに発掘された方法」、「ファレルがマクドナルドを3回クビになった話」、「Big Seanがカニエ・ウェストに発掘された方法」などを発信してきた。

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既に海外メディアでは最近発信されていた内容であるが、Run the JewelsのDJ TrackstarがどのようにしてRun the JewelsのDJになったかのエピソードが非常に面白いので紹介したい。彼はStltodayにて、Run The Jewelsと知り合った経緯についてこのように語った。

 

Trackstar:元々俺の夢はVintage Vinylで働くことだったし、St. Louisのシーンで少しリスペクトされればいいって考えてた。シーンには俺にとってのヒーローが集まってたし、それ以上のことを夢見たことはなかった。

元々Run The Jewelsと出会ったのも、単純にKiller Mikeのファンであることからだった。彼の「That’s Life」を聞いて「なんで誰も今までKiller Mikeが最も偉大なラッパーだと教えてくれなかったんだ?」と思ったよ。そこから彼の大ファンになって、DJするときは彼の曲を流していたし、そういうことに喜びを感じていた。

 

元々はアーティストになるつもりもなく、さらには偉大なグループのバックDJになることなんて夢見てもなかったと語る。Killer Mikeの曲を聞き、彼は大ファンになったのだ。そこから彼はこのように語る。

 

Trackstar:そこから数年後に、Killer Mikeのとあるインタビューを読んだんだ。Killer Mikeはインタビューにて、ファン用の電話番号を公開していたんだ。多分電話をかけてもあらかじめ録音されたメッセージが流れるだけなんだろうな〜って思ったけど、自分が好きなラッパーがどんなボイスメッセージなのかが気になって電話をかけたんだ。

そして驚いたことに、Killer Mike本人が電話に出た。そこで勇気を出してKiller Mikeがホストの「Best of Killer Mike」のミックステープを作りたいという旨を伝えたんだ。Killer Mikeは了承してくれた。それが「Anger & Ambition: The Best of Killer Mike」になったんだ。

その後やっとフェスで会うことができたんだけど、彼に「俺は周辺にいるから、何か必要だったら言ってくれ、空き缶とか捨てるし、あなたのウィードも巻くから」と伝えたんだ。

Good times last night on @jimmykimmellive shouts out to @trinarockstarr #runthejewels #kimmel #trina #panther

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そこからKiller Mikeから何度かDJを頼まれ、彼は2011年に正式にKiller MikeのツアーDJとしてライブ中に発表されることになる。Trackstarにとってもサプライズだったらしく、その後はKiller Mikeと活動するためにアトランタに引っ越したのだ。そしてRun The Jewelsが結成され、その後は皆さんが知っているRun The JewelsのバックDJとして毎週のようにツアーをしている。

彼は自分が「ファン」ということを最大限に発揮した人物であると感じる。自分が「大ファン」だと思っているアーティストに会うと、緊張してしまったり、謙遜してしまったりで、上手く話せないという人もいるだろう。しかし彼はKiller Mikeが電話に出た一瞬で、自分が一番伝えたかった「今後の展望」を伝えることができたのだ。そのアイディアを気に入ったKiller Mikeは、単にそのプロジェクトをやるだけではなく、その後も「友人」としての関係を続ける優しさを見せつけたのである。

これはBig Seanのヒップホップドリーム記事でも書いたことなのだが、やはり重要なのは「準備ができているかどうか」、そして「瞬発力」である。もしTrackstarが拙いDJをしていたり、趣味程度のスキルしかなかったら、将来的に「俺はKiller Mikeと電話で話したことあるんだぜ」と自慢する人にしかならなかっただろう。

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