アーティストがリスナーに素直であることのメリット。LOGICの観客の対応に学ぶ。

 

 

「アーティスト」という言葉

を聞いたとき、どのようなイメージが湧くだろうか?従来であればアーティストというと、少し崇高なイメージがあったり、謎めいているイメージがあったかもしれない。その人のプライベートでのパーソナリティ的なところはあまり表立って出てこなったイメージもある。しかしソーシャル時代によって、そのイメージは大きく変わってきたようにも思える。

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徐々に「キャラ」というより「パーソナリティ」が重要になってきているようにも感じる。普段から「ファンとの関係を築く」ということもアーティストの責任になってきている社会で、その関係を上手く構築できているアーティストは根強く人気が残る。これはアーティストによって、構築の仕方が全く違ってくるので、一概には言えないことであるが、DJ Khaledのようにスナップチャットやインスタで毎日のように日常を発信する人も入れば、ケンドリックやJ. Coleのようにあまりアクティブではないアーティストも多い。

そんななか、ロジックの事例が一つの事例として参考になるかもしれないので紹介をしたい。彼は先日のペンシルバニア州で行われたフェスでのライブセットの途中で、一旦ステージから捌けてライブを一時中断したのが、そちらの事件についてツイッターで説明した。

今夜のライブの中盤で、俺は衰弱してしまった。ステージから降りて、過労が原因で気を失うかと思った。

ライブを途中で終えようと思ったけど、続けた。ステージに戻り、自分が今どう感じているのかを観客に伝えた。やり通した。

俺は超ハードワークをするけど、それに気が付かなかったりする。色々な機会が自分のところに訪れるし、それを断ったら一生その機会が帰ってこないことを恐れているんだ。そして曲中に、疲労で涙が出てきたけど、サポートしてくれる友人とファンがいるのことが幸せだ。

俺は頻繁に他人のことを考えているけど、自分のことも考えないといけないな。俺は凄く恵まれているけど、働きすぎてて仕事を楽しめていない。だから自分でバランスを取らないと!俺は大丈夫だよ!純粋に音楽でストレスを発散できた。

 

このように彼は自分がライブを中断した理由を語った。実際にはステージ上でも、観客に何が起こったかを伝えたらしい。この一連のツイートで、自分の心境を語った彼に「素直だな」という印象を抱いた。この透明性が、ファンにとって等身大なリリックとなっているのかもしれない。もしここで彼が従来のアーティストのイメージのように、自分では理由を説明せずに、ミステリアスな感じを醸し出していたら、このような事態のときに様々な噂が流れるだろう。それこそ「彼はドラッグをやっているからライブ中に倒れた」や「酒を飲んでいた」などのあることないことを言われてしまう可能性もある。しかし彼は自分で真っ直ぐな言葉で説明することにより、ファンに目線を合わせた発信をすることができているのだ。

もちろんこのファンとの関わり方は、自分がどのような「ブランディング」をしたいかにもよるだろう。ミステリアスな雰囲気を醸し出すタイプのアーティストを目指していたり、バンクシーのような特徴があったりする場合は「疲労で涙が出てきた」とはなかなか言いにくいのは事実だ。しかしロジックは恐らく楽曲のメッセージからも「自分の弱いところを見せることは恥ずかしいことではない」と伝えているのだろう。ときには弱さを認め、自分の一部として世に発信するほうが勇気が必要だったりする。

LOGICが世の中のアーティストたちへメッセージを送る。メッセージの解説と「自分」でいることについて

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