エミネムのデビュー前の1000枚しか売れなかった1stアルバム「Infinite」

 

 

 

エミネムは間違いなく2000年代で一番有名なラッパーだろう。知名度だけではなく、2000年代に一番売れたアーティストでもある彼は今でもヒットを飛ばしまくり、多くのリスナーの心に刺さるリリックを世に出している。

エミネムとケンドリック・ラマーが共感される理由を考える。ストーリーテリングと多重視点

そんなエミネムがDr. Dreに発掘される前の自主制作アルバム、INFINITEを知っているだろうか?

このアルバムは1000枚ほどしか売れなかったらしいがコアなファンの間では名盤として歴史に名を残している。 そんな水面下で名盤とされているアルバムの中で数曲紹介したいと思う。

 

Never 2 Far


まずはこの曲。内容は貧困に負けないようなものになっており、「今はジリ貧生活で子供も生まれそうだし金銭的にヤバイけど、スターにだって大統領にだって何にでもなれるぞ!」という素晴らしい内容になっている。いつか自分が「ラップゴッド」になるということをこの時からわかっていたのだろうか。

 

Open Mic feat. Denine, Kuniva, and Thyme


 

この曲を聞けばエミネムがフリースタイルバトル出身だということがよくわかる。曲名はオープンマイク。「お前にマイクを渡したやつは誰だ。お前がフローできるなんていいやがって」という内容のサビになっており、まさにスキルに厳しいデトロイトのオープンマイクにぴったりな内容となっている。

 

313 feat. Eye-Kyu


313とはエミネムの出身のデトロイトの市外局番である。デトロイトは広域にわたって313であり、もちろんエミネムも「313」をレペゼンしている。「313出身のナイスなMCを知っているか?もしナイスなMCになりたいなら俺みたいにならない駄目だぜ」という内容となっている。

 

It’s OK


 

またもやメローなビートである。「大変な時だけど全てOK」というどこか切なげだが、前に進む意志を感じることができる曲である。

このようにして聞くと、一般的に知られている「怒っているエミネム」はこのアルバムにはいない。実際にはこのアルバムをリリースし、全く世間に相手にされなく、ローカルラジオ局などから「お前白人なのになんでラップしてんの?」と言われてからリリックに怒りを込めるようになったのだ。そこから二重人格のもう片方の部分、スリム・シェイディという人格ができ、キレキレのラップスタイルに変わっていったのである。

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