J. Coleの「4 Your Eyez Only」のレコーディング中にSWATがスタジオに押し寄せてきた話し

Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)


 

jcole-4youreyezonly

 

J. Cole – 4 Your Eyez Only

先週リリースされ、話題となっているJ. Cole(Jコール)の「4 Your Eyez Only」。この作品は「音」だけ聞いていると前作のほうがいいと思われがちであるが、全体のストーリーを知ることによって名作っぷりがわかる作品となっている。

そんなアルバムのなかには“Neighbors”という曲がある。この曲のサビでは

 

I guess the neighbors think I’m sellin’ dope, sellin’ dope

どうやら近所の人たちにドラッグを売ってると思われてるようだ。

 

とラップしている。さらにはこの曲のクレジットには「実体験に基づいたリリック」と書かれている。この曲がどのような事件の上で生まれたのかを解明するために、少しリサーチをしてみた結果、面白い情報が入ってきた。J. Coleが代表を務めるDreamvilleのプロデューサーとして活動するEliteがインタビューにて、この事件の真相を詳細に語っているので、そちらを解説していきたい。Elite interview with Complex

 

この曲ができたきっかけはクレイジーだよ。ことの発端はColeがノースカロライナ州の郊外にある家を借りたことから始まったんだ。Dreamvilleにて働いてるアーティストとかプロデューサーたちが作業するための場所で、たくさんの曲がそこで制作されていたんだ。

そこは結構裕福な住宅地だったから、俺らがきたことで一気に雰囲気が変わったようだった。元々裕福な白人が多く住んでいる郊外の住宅地に、黒人アーティストたちが大量に乗り込んできて、玄関でウィード吸っているやつもいたし。

それで近所の人たちが俺らがドラッグを密売している集団だと思って通報したらしいんだ。

通報が入った警察はSWATチームとともにヘリコプターなども導入して、乗り込んできたんだ。俺らはたまたまSXSW(毎年テキサスで行われている音楽フェス)に行っていたから留守だったんだけど、留守の間にかなり大規模な操作があって家がめちゃくちゃになってたよ。

操作にきたSWATチームはヘリまで導入したにも関わらず、ただのスタジオしか見つからなくてアホだな気分になっただろうね(笑)

 

そう実際に「大量の黒人が高級住宅地にきた」という事実だけで近所の人にドラッグディーラーだと思われた、という事実がこの曲のテーマになっている。このアルバムは基本的に彼の亡くなった友人Jamesの視点にたってラップされているが、この曲はJ. Coleの目線で書かれているようだ。

ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington):カリフォルニア州OC育ちのラッパー兼Playatunerの代表。umber session tribeのMCとしても活動をしている。

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