【RIP】ヒップホップ最重要ドラムブレイクを生んだ「Clyde Stubblefield」のヒップホップにおける功績

 

ファンキードラマー

先日のJunie Morrisonに続き、ヒップホップに多大な貢献をしたファンクアーティストが2017年2月18日に亡くなってしまった。「Funky Drummer」として知られる名ドラマー「Clyde Stubblefield(クライド・スタブルフィールド)」が73歳にて亡くなってしまった。彼は全盛期ジェームス・ブラウンの「Cold Sweat」「Ain’t It Funky Now」「Sex Machine」などの曲で参加をしており、彼のドラムブレイクは後のヒップホップにおいて最重要ブレイクとなる。彼がファンク/ヒップホップにおける「グルーヴ」「ドラムポケット」を定義した先駆者と言っても過言ではないだろう。下記「Funky Drummer」のブレイク(5:21〜)を聞けば一瞬で彼のグルーブがいかにヒップホップに影響を与えたかがわかるであろう。

彼のファンキードラマーとしての人生に感謝し、彼の貢献を再認識するために「Funky Drummer」をサンプルした曲をいくつか紹介したいと感じる。

 

Public Enemy – Fight the Power


Public Enemyは様々な曲でFunky Drummerをサンプルしているが、そのなかでも特に有名なのが上記「Fight the Power」と「Bring the Noise」であろう。個人的には「Bring the Noise」のほうが好みであるが、「Fight the Power」では出だしでチャック D.が「Sound of the Funky Drummer!」とラップしているのでこちらを選んだ。上記以外には「Rebel Without a Pause」も当曲をサンプルしている。この後のチャックDのインタビューでは「Funky Drummer」のドラムを解析し、それをリズムマシーンでプログラムしなおす場合も多かったと語っている。。

 

Run DMC – Run’s House


80sヒップホップのキングであるRun DMC。彼らの4枚目の「Tougher than Leather」に収録されたこの曲はビルボードヒップホップ/R&Bチャートの10位を記録したのである。曲の内容としては「どのライブハウスや地域でライブをしていても“俺らの家”のようにホームにできる」という内容である。メンバーRunが後に務めるテレビ番組のテーマ曲となる。

 

Dr. Dre – Let Me Ride


Playatunerでは定番となっているDr. Dreであるが、彼の1stアルバム「The Chronic」の3rdシングルとなった「Let Me Ride」のヴァースでのドラムは「Funky Drummer」のサンプルとなっている。今までの「Funky Drummer」のサンプルとは違い、アクセントが強くなるようにコンプレスされており、ローライダーに合うようなサウンドアレンジになっている。サビはもちろんP-Funkの「Mothership Connection」となっている。

 

Lupe Fiasco – The Cool


Lupe Fiascoの1stアルバム「Lupe Fiasco’s Food & Liquor」に収録されている“The Cool”。(2ndアルバムと同タイトルであるが、収録は1stアルバム)このトラックはカニエ・ウェストによってプロデュースされており、いかに「Funky Drummer」の素材を活かしつつ、モダン風味なサウンドアレンジにしているかがわかる。

 

Slum Village – 2000 Beyond


デトロイトのヒップホップグループ「Slum Village」のこの曲ではJ Dillaが間奏の語りを担当している。この曲は「Funky Drummer」をサンプルしているのだが、実はThe Rootsの「Questlove」が「Funky Drummer」を完コピして叩いていると噂されている。

 

LL Cool J – Mama Said Knock You Out


LL Cool Jの4thアルバムの「Mama Said Knock You Out」に収録されている同タイトルのこの曲は、ビルボードシングル総合チャートで17位を記録した。LLが世間に「もうLLにはヒット曲を出せない」と評価されていた時期に、祖母に「あなたのことを信じていない人々をノックアウトしてきなさい」と言われたことがこの曲の題材となっている。プロデューサーはDJ Premierが最も尊敬するヒップホッププロデューサー「Marley Marl」である。

 

「Funky Drummer」クライドのヒップホップにおける功績をいくつか紹介したが、実は彼はこれらのサンプルにおいて一度もロイアルティを支払われていないのである。サンプリングのクリアは作曲者に対するクリアなので、演奏者にたいしては支払われないシステムなのだ。そんな彼の独自のグルーヴがヒップホップの誕生に大きく貢献したと考えると、ヒップホップファンであれば彼にたいする感謝とリスペクトの気持ちを持っていないといけないと感じる。ヒップホップの誕生とブレイクがどのような関係なのかを知りたい方は下記をオススメする。

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Rip Clyde “Funky Drummer” Stubblefield.