エミネム「Lose Yourself」をプロデュース/作曲したJeff Bassが15年経った今語る。

 

Eminem – Lose Yourself

この曲を知らない人はいないであろう。それほどこの曲はヒップホップだけではなく、音楽業界インパクトを残した曲である。15年経った今でも、音楽ファンに限らず、スポーツ選手の試合前定番曲として愛されている。エミネム主演の映画「8 Mile」の主題歌でもあり、シングルが5×プラチナ認定、700万以上のダウンロードを誇っている。

そんなエミネムの最高傑作と呼ばれる「Lose Yourself」であるが、この曲のキーマン/プロデューサーとなったのが「Bass Brothers」のJeff Bassである。デトロイト出身のプロデューサーであり、エミネムとはインディーズアルバム「Infinite」をはじめとし、長年一緒に仕事をしてきた。そんな彼がBillboardのインタビューにて語っていることがなかなか興味深いので紹介をしたい。

From: Billboard

エミネムと出会った頃の話

Jeff:最初にこのプロデューサーという立場をはじめたとき、俺たち(Bass Brothers)は本気で俺たちの音楽的な方針を理解できる人たちと一緒にやろうと決めたんだ。エミネムも他と同じようにトライしたんだけど、他とは違うことがあった。

彼の仕事にたいするガッツは他とはレベルが違かった。彼はいとも簡単に20時間ぶっ続けで作業できるようなやつだった。俺たちは彼の期待に答えるためにも、毎日長時間を音楽に費やした。常に仕事をしているから、結構脱落する人も多いんだけど、エミネムはまさに「兵士」だった。彼はそれほどハングリーだったんだ。

 

エミネムとの関係構築

Jeff:最初はエミネムのデビュー前のアルバム「Infinite」で監修みたいなことしていたんだけど、「Slim Shady LP」では実際に何曲もプロデュース/作曲したんだ。俺らはいつも冗談ばかり言っていた。彼も冗談ばかり言うひょうきん者だったし、俺らもいつも冗談を言ってるからそこでも気が合った。

 

Lose Yourselfについて

Jeff: 最初トラックを作ったときは「このトラックめっちゃ聞いてて素晴らしい気持ちになる」としか感じなかったんだよね。なんでそう感じたかはわからないんだけど。でもエミネムが「8 Mile」の脚本を書き終わり、それを元にリリックを書いたとき、全てががっちりハマったんだ。

あのギターリフはとても簡単だけど、「心を掴んで離さない」力があると感じるよ。15年経った今でも、大きなスポーツの試合とかで100,000人の会場が全員歌ってる姿を見ると、間違いないと思う。

 

エミネムとJeff Bassがヒップホップ業界に残した功績ははかりしれないだろう。白人ラッパーと白人のプロデューサーが作った曲が、ヒップホップ史上に残る楽曲を世に提示したのである。もちろん人種的な功績もあるかもしれないが、デトロイト出身の「音楽しか道がなかった」人たちがのし上がっていく姿はまさに「ヒップホップ」であると感じる。人種としての議論などは常に行われているが、肌の色を関係なしに、このような姿勢の彼らが「ヒップホップ」だと言える。