Joey Bada$$が「Land of the Free」のMVを公開。印象的なリリックを解説

Joey Bada$$

彼は先日の「自分は2Pacより上手い」という発言が話題になっており、Playatunerではその発言を徹底的に掘り下げてみた。若手ラッパーのなかでは間違いなくトップレベルであるが、彼が2Pacになるために足りないものは社会的インパクトであったのかもしれない。そんななか彼が4月にリリースされる新アルバム「All-AmeriKKKan Bada$$」から先行で「Land of the Free」のMVを公開した。

サウンドとしては80sを彷彿とさせるようなシンセの音色とリズムマシーンっぽい音である。MVからもわかるように、黒人として現代に生きることを表現している。そんな彼の「Land of Free」であるが、込められているメッセージが素晴らしいので紹介をしたい。

 

Can’t change the world unless we change ourselves
Die from the sicknesses if we don’t seek the health
世界を変えるためには自分たちを変えないといけない
「健康」を求めないと「病」で死ぬ

このラインはガンジーの言葉にインスパイアされていると感じる。問題を定義し、世界を変えるためにはまずは自分たちで内部を変えようと行動をする必要がある。そのようにしないと外の人もその問題に気がついてくれないし、中身が変わらないと根本的な問題解決にならないという言葉である。Joeyは外の人たちに問題を知ってもらうため、自分たちで行動を起こすことを提唱をしている。もしその「癌(問題)」を取り除くことができなかったら「病」で死ぬ。

Full house on my hands, the cards I was dealt
Three K’s, Two A’s in AmeriKKKa
渡された手札にはフルハウス
AmeriKKKaには3つのKと2つのAがある

彼は自分たちが置かれた状況「AmeriKKKa」の3つのK(キング)2つのA(エース)をポーカーのフルハウスに例えている。

300 plus years of them cold shoulders
Yet 300 million of us still got no focus
Obama just wasn’t enough, I just need some more closure
And Donald Trump is not equipped to take this country over
冷遇されて300年以上経ったけど
3億人はまだフォーカスできていない
オバマだけじゃ足りなかった、前進するための何かが必要だ
トランプにはこの国を乗っ取る力が備わっていない

アメリカに奴隷が連れてこられたのが1619年であるが、未だにアメリカに住む3億人は問題を解決できていない。さらにJoeyはオバマが大統領に就任したことは嬉しかったし、勇気づけられたけど、それが皆の思考を停止してしまったと語っている。彼によると大統領が黒人という理由で、問題から目を背けるような結果となってしまったのである。

Leave us dead in the street to be your organ donors
They disorganized my people, made us all loners
Still got the last names of our slave owners
ストリートで死んであなたの臓器提供者になる
彼らは俺らを解体して皆を独りにした
俺らは今だに奴隷所有者の名字を持っている

「今だに奴隷所有者の名字を使っている」というフレーズにはこの曲を一言で表す深みがあると感じる。Joeyは自分たちが置かれた状況を「ハメられた状況」だと語っている。「Project Experiment」と呼ばれるゲットー区間は、全てがそこで完結されるように計画されており、「社会実験」のようなものなのである。外の世界を見る機会がないように、学校も刑務所も銃を売っている店も同じ区画にあり、盗みや殺人をしないと生きていけないような状況をセッティングされていると語っている。

このようにJoey Bada$$のリリックを見ると「Joey Bada$$の「俺は2Pacより上手い」発言を徹底的に掘り下げる」で書いた内容も納得できるだろう。このような内容はケンドリックのTo Pimp ButterflyからJ .Coleの「4 Your Eyez Only」も取り上げているが、Joeyはこれに続くようになるのだろうか。彼の新アルバムがリリースされるのが楽しみである。