ロバート・グラスパーがジャズ、サンプリング、J Dillaについて語る。

 

サンプリング

ヒップホップというジャンルはサウンド面では常に先人たちの知恵と最新の感覚を組み合わせて成り立ってきたジャンルだと感じる。どのジャンルでもそうかもしれないが、特にヒップホップではサンプリングという手法がコアにあるため、その縦の繋がりがわかりやすいと感じる。

そのなかでもヒップホップとジャズの繋がりは切っても切れないであろう。もちろんFunkとの繋がりもそうであるが、ジャズがヒップホップにもたらした影響はあまりにも大きい。新世代ジャズミュージシャンとして数々の功績をあげてきたRobert Glasper(ロバート・グラスパー)がジャズとサンプリングについて少し語っているので紹介したい。

グラスパー:ジャズはヒップホップの親だ。両方とも抑圧された環境から生まれ、プロテスト音楽としての役割を担ってきた。もしあなたがヒップホッププロデューサーで、メロディアスなものを作りたがっているのであればまずジャズから入るべきだろう。

 

さらに彼は3つの楽曲の元ネタを再生した。

元ネタ:Ahmad Jamal – I Love Music

Nas – The World is Yours (Prod. Pete Rock)

 

グラスパー:これはPete Rockがこの2小節ぐらい(動画の0:11)をとってNasにあげたものだ。フー!↑

 

元ネタ:Herbie Hancock – Come Running to Me

Slum Village – Get Dis Money(Prod. J Dilla)

 

グラスパー:これはJ Dillaがこのサンプルを遅くして、オリジナルのベースラインを入れて馬鹿みたいに最高のドラムを乗っけただけだな。これのクールなところはチョッピングをしていないところだ。チョッピングとは音の整形手術みたいなもんだよ(笑)切って貼るからオリジナルの音を認識できない場合もある。逆にリフティングとはそのまま使用することだ。

 

元ネタ:Ahmad Jamal – Swahililand

 

De La Soul – Stakes is High (Prod. J Dilla)

 

グラスパー:Ahmad Jamalに関しては既にクレイジーだからあまりチョッピングをする必要がないんだよな。最高すぎて俺はこれでもう祈りを捧げることができるよ(笑)

 

さらにJ Dillaに関して彼は

J Dillaの影響でこのようにJazzをヒップホップに乗っけたようなスタイルのプレイをしたくなったんだ。彼のビートの凄いことはサンプルをヒップホップビートに乗っけるだけではなく、それを逆にまた生演奏したくなることだ。それが音楽の素晴らしさであり、全てが「円」で繋がっているんだ。

と語っている。グラスパーのような偉大な新世代ミュージシャンを見ても、ブラックミュージック界にてJ Dillaの影響がいかに大きかったかがわかる。カニエ・ウェストがJ Dillaについて語る記事はこちら

J Dillaのプロダクションをブレイクダウンした動画を解説。彼がMPCとビートに与えた「人間味」

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