Nasが1920年代のブルース曲をカバーし、ラップとの共通点をDigる。1928年のブルース曲からも見えるラップのルーツとは?

 

 

 

ブラックミュージック

はとても縦の繋がりが強いと感じる。ジャズ、ブルース、ロックンロール、ソウル、ファンクなどのジャンルの子供としてヒップホップが生まれ、この時代までバトンとして受け継がれたように、とても「重み」のある音楽にも思える。実際にサンプリングという手法がヒップホップのエコシステムに入っているのも、このような縦のつながりを重視する要因にもなっていると感じる。

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そんな数々のブラックミュージックのなかで、かなり大きな存在であったブルースのとある曲に関して、Nasが語っている映像を見つけたので紹介をしたい。5月16日PBSにて放映されるドキュメンタリー「AMERICAN EPIC」にてNasがMemphis Jug Bandの「On The Road Again」をカバーし、さらにこの楽曲とラップの共通点について語っている。

Memphis Jug Bandとは1920年代〜1930年代に活動をしていたメンフィスのバンドであり、戦前のジャグバンドとして最も楽曲をリリースした伝説的な存在となっている。楽器はハーモニカ、バイオリン、マンドリン、カズーなどに加えて、バケツで作ったベースやJug(大きめのガラス瓶)などを使用していた。その他にも骨やスプーンなどを使用するジャグバンドもいた。

映像はブルース歌手大御所のCharlie MusselwhiteがMemphis Jug Bandについて語る描写からはじまる。「このバンドのWill Shade (ハーモニカ/ボーカリスト)は母親からハーモニカを習ったと言っていたよ。彼の母親は奴隷だったんだ。」この発言からも、ブルース音楽がいかにその後のブラック・ミュージックの「精神的な基盤」をつくるのに重要だったかがわかる。その後Nasがとても興味深い発言をする。

 

Nas: Memphis Jug Bandが歌っていることは、今の時代でもかなりの共通点がある。彼らは「女性、銃、自分の誇りを守ること、自分に酷いことをした女性を追いかけること」などについて「ラップ」をしているんだ。これは富裕層の話ではなくて、ストリートで、アンダーグランドな黒人たちについてだ。これを見ると、今のラップと同じだ。

このメンフィスからきた音楽は「ラップ」だったんだ。ストリートライフ、ギャング、ハッスルなど「世界のダークな部分」をラップしているんだ。このようにしてみるとラップがいかに「自然な」手法であり、いかに文学的かがわかる。英語を話す黒人がいるところでは、常にラップというものが存在していたんだ。

 

1920年代の音楽と現代のラップの共通点、とても興味深いと感じる。特にNasのような最高峰の詩人が語るブルースにはかなり説得力がある。特に彼の父親オル・ダラもジャズ/ブルースのコルネット奏者であるため、この辺の音楽にたいしての理解が深いと感じる。このように現代の音楽との共通点を見つけることにより、より当時の音楽を勉強する意欲がわいてくるだろう。NasがMemphis Jug Bandをセッションカバーをしている映像もイケてるので、是非上記の動画をチェックしてほしい。ちなみにセッションにはThe White StripesのJack Whiteも参加している。

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