Dr. Dreがニルヴァーナを聞いてテンションを上げている動画から見る「プロデューサー」という存在

 

 

偉大なプロデューサー

に必要な要素とは何か?ヒップホップでの「プロデューサー」と一般世間でいうプロデューサーは、また別のことを指しているようにも思えるが、「偉大」なプロデューサーには共通点がある。ヒップホップにおける「プロデューサー」はトラックメーカー的な立場になっている場合もあるが、彼らの地位向上について以前記事を書いた。

プロデューサーたちの地位向上を訴えるアーティストたち。プロデューサーやトラックメーカーたちは過小評価されてる?

 

偉大なプロデューサーという言葉を聞いたとき、私が思い浮かぶのがQuincy Jones(クインシー・ジョーンズ)である。彼の長年の経験から導かれる「プロデューシング」は、恐らく現存最高のプロデューサーと言っても過言ではない。そのなかで私がヒップホップにおけるクインシーだと思っているのがDr. Dreである。彼はトラックを作るだけではなく、様々なアーティストの方向性/運命を決めた男であり、個人的には「ヒップホップ最高のプロデューサー」であると思っている。そんな彼の動画で興味深いのがこちらの「ニルヴァーナを聞いてテンションを上げているドレー」である。

 

HBOドキュメンタリーの「The Defiant Ones」からのクリップであり、非常に短い映像であるが、ドレーがなぜ「ドレー」なのかが多少なりとも伝わってくる。このニルヴァーナの「Stay Away」を聞いているドレーであるが、非常に楽しそうである。

これを聞いてるだけで汗が出てきたよ。ニルヴァーナ、カート・コバーン…俺が最も好きなロックバンドだ。」と言い、その後のKraft Werkの「Metal on Metal」を流す。プロデューサーとしての一つの能力は「音楽の幅広さ」である。彼は小さい頃から様々な音楽を愛し、それを自然な感覚で耳と心に注入してきたのである。その注入した音/要素を、体内に溜め込み、「自分のサウンド」として一気に爆発させる。それがプロデューサーとしての「腕」なのかもしれない。

以前私はPlayatunerにて「ヒップホップのサウンドの本質」という記事を書いた。もちろんヒップホップといえばカウンターカルチャー的な要素も大きいので、サウンド以外の本質も強いが、サウンドにフォーカスしてみると、とある法則が見えてくることに気がついた。ヒップホップ以外の音楽、むしろ音楽以外の分野にも視野を広げ、そこで感じ取ったことを自分なりに新しく解釈するということが共通点なのではないだろうか?「ヒップホッパーだから他の音楽ジャンルは聞かない(笑)」という人たちがあまり「ヒップホップ」じゃないと感じるのもここに理由があるのかもしれない。

特にヒップホップはロックとの共通点、相性は抜群であると感じる。このように音楽を愛し、様々な音楽の「良さ」に気がつくことができる耳と心を持っていることが「偉大なプロデューサー」への第一歩なのかもしれない。

ヒップホップサウンドとは何なのか。ヒップホップの歴史から「サウンドの本質」を読み解く試み

ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington):カリフォルニア州OC育ちのラッパー兼Playatunerの代表。umber session tribeのMCとしても活動をしている。

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