凄腕プロデューサーJust BlazeはどうやってJay Zに認められた?さらにエミネムとJay Zの違いについて語る
Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)
Just Blaze(ジャスト・ブレイズ)
2000年代を代表するプロデューサーのうちの一人と言っても過言ではないだろう。Jay Zが率いるRoc-A-Fellaレコード御用達プロデューサーとして名を売った彼は、Jay Zだけにとどまらず、エミネム、ファボラス、バスタ・ライムス、スヌープ・ドッグ、Cam’ronなど数々のラッパーにビートを提供している。
そんな彼だが、Jay Zに認められたと感じた瞬間について上記動画で語っている。
➖ 最初はStreets is Talkingのビートを送ったんだ。そしたらJay Zがそれにラップをのせたから、それを聞きにくれば?ってスタッフの人に言われて遊びにいったんだ。Jay Zがレックしてるとこに遊びに行くだけでも凄いことなんだけど、そこでJay Zが「Parking Lot Pimpin’」のレックをしはじめたんだ。
彼がボーカルブースでラップしてるとき、ヘッドフォンでその場ビートをつくって、彼に聞かせたら「え?今これ俺がラップを録ってるあの短い時間で作ったの!?」と驚かれたんだ。
「お前をスターにしてやる。こいつのために、ここのスタジオの一部屋空けてくれ。そこを自由に使っていいぞ」と言われた。そこで俺はJay Zに認められたと感じたね。ソロ契約ももらったし、25曲分の料金も前払いでもらえたんだよ。
さらにインタビュアーが「Jay Zとエミネムの違いについて」という旨について聞くと、
➖ Jay Zとエミネムは2人とも素晴らしい才能を持っているけど、作業の仕方が全然違うんだ。Jay Zは彼の人柄が出ていて、凄く自由にやらせてくれる。たまに完成してないビートにラップをのせては「あとは自由に完成させちゃっていいよ」って投げてくるタイプだね。
それに比べてエミネムはかなり細部までこだわりをもっているね。ビートをつくるところから参加する場合が多いし、ミックスのときも大体参加している。彼は耳がとてもいいから、「ボーカルを0.5デシベル上げてくれ」や「ベースのこの周波数を少し上げてくれ」などの注文をしてくるね。Jay Zより科学者的な感性をもっている気がするよ。
どうやら同じラップスターでも作業のこだわりどころが全然違うようだ。2人と仕事をしたことがあるJust Blazeならではの比較である。しかしJust Blazeのビートを聞いてその場で、スタジオ一部屋を提供するJay Zのロックスターっぷりはさすがと言えよう。優秀な人材をチームに入れる、という能力もやはり彼のビジネススキルとも言えよう。もしかしたらJust Blazeがその場でビートをつくっていなかったら、と考えるとこの業界において積極性がどれだけ重要かということを知ることができる。
ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington):カリフォルニア州OC育ちのラッパー兼Playatunerの代表。umber session tribeのMCとしても活動をしている。
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