Ice CubeがN.W.A.初期を語る① アーティストとして学べること
時代に抗い、業界を変えてきた先人たち
いつの時代も歴史に名を刻むアーティストたちはそのような特徴があるのかも知れない。ヒップホップは誕生してからまだ年月が浅いほうではあるが、様々なイノベーションを起こしたジャンルだと感じる。そんな業界にイノベーションを起こしたアーティストのうちの一つが「N.W.A.」である。先日映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」でのIce Cube乱闘シーンについて書いたが、またN.W.A.時代のIce Cubeについて書きたいと思う。
アイス・キューブがN.W.A.初期のメンタリティについて語っているインタビューがアーティストにとって参考になると思うので、パート①とパート②にわけて紹介したい。
インタビュアー:あの「Straight Outta Compton」がLA外の人たちにも絶大なる支持を受けたことにどう感じますか?
Ice Cube:とても驚いたよ。俺らは諦めてたわけではないけど、「俺らはどうせRun DMC、LL Cool J、Public Enemy、Rakimみたいになれないんだよ」って思ってたんだ。「どうせああなれないんだったら、それを目指すのをやめようぜ」みたいな感じだった。
LAにいる自分たちは、当時のヒップホップスターたちのようにはなれないと半分諦めていたらしい。Ice CubeはRun DMCをリスペクトしているので、憧れのほうが強かったのだろう。それに気がついた彼らは「ローカル」を目指した。
Ice Cube:Run DMCみたいになれるわけがないと思ってたから、もう「自分たちやホーミーが気に入りそうな音楽を作ろうぜ」みたいな感じだったんだ。だって自分たちがラップしてる内容はコンプトンでは共感されるだろうし、ローカルスターになれることはわかってたんだ。だから現行の「ヒップホップ業界/シーンに合わせる」んじゃなくて自然にやろうぜってなった。
もし大スターになれなかったとしても、別にそれで良いやって感じだったね。知り合いとかの顔を思い浮かべて「こいつらなら俺らのラップを買ってくれるだろう」って考えてた。それに共感してくれる人たちの幅が徐々に広まり、マッチでつけた火はいつの間にか大火災になっていたんだ。
このようなメンタリティは徐々に知名度をアップさせようとしているアーティストにとってかなり重要なことだと感じる。ここの本質は「「ヒップホップ業界/シーンに合わせる」んじゃなくて自然にやろうぜ」という部分だと感じる。Run the Jewels、Anderson. Paak、Tyler the Creatorなどは全員このメンタリティなのは上記のリンクからも確認できる。パート2はこちら⬇
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