Snoop Dogg「なんだこれ?」現在のシーンへの疑問をラップする新曲を公開
Uncle Snoop
は様々なことに寛容な姿勢を見せつつも、トレンドをネタする一面も頻繁に見せている。ベテランのなかでも、若手を応援しているスヌープはUncle Snoop(スヌープおじさん)と言われている。しかし時にはそんな優しいおじさんでも若手をからかいたくなるのだ。
そんなスヌープが新曲としてSoundCloudにアップロードした楽曲がまたもや話題になっている。最新アルバム「Neva Left」でも共演したOctober Londonをフィーチャーした「What is This?(なんだこれ?)」はまさに現代のシーンをネタにしている楽曲である。NottzがプロデュースしたトラックはThe Whispersの「It’s a Love Thing」をサンプリングしており、とてもファンキーなトラックとなっている。オールドスクールなファンキーサウンドの上で彼が語った印象的なラインをいくつかピックアップをしたい。
まずは印象に残ったのが「インターネットは毎日クレイジーだ」というラインである。「R&Bのやつらは半分ゲイだから毎日ミーム(ネットのネタ)になってる。スヌープちょっと落ち着け、世間のやつらは怒るかもしれない」と語り、ホモフォビックだと議論を巻き起こすことを想定していることがわかる。さらにサビのOctober Londonが印象的である。
なんだこれ?色々変わった。皆お互いのレーンに食い込んでいる
なんだこれ?ラッパーたちは皆同じようなサウンドをやっている。少しの知名度をゲットするために
これはまさにスヌープが以前言ってた「近年のラッパーは皆同じスタイルでラップをする」ということである。スヌープは最近のラッパーを応援しつつも、皆が三連符フローでラップしていることに疑問を感じているのだ。本来であれば「表現」として自分のレーンを持つことが「アーティスト」の作品だと思われていたが、近年では「インターネットで熱い人たち」の仲間入りするために似通ったスタイルをやることが普通とされている。スタイルを「バイト」することがご法度であった90年代のヒップホップを生き抜いてきたスヌープからしたら、この状況に疑問を感じるのは無理もないだろう。
スヌープは最近の作品により、ゲイを批判するホモフォビックな人だと思われがちであるが、実際に過去のインタビューを読んでいると、そうでもないことがわかってくる。 The Huffington Postでは
「自分が満足するように生きればいいさ。別に俺は他人に対して問題はない。自分のために生きているし、俺は自分が生きたいように生きてるから、あなたにも自分が生きたいように生きる権利がある。」
と語っている。その反面、ヒップホップで同姓愛が認められづらい現状についてもThe Guardianにてこのように分析している。
「フランク・オーシャンはシンガーであってラッパーじゃないんだ。シンガーの世界では認められるけど、ラップの世界で同性愛が認められる日がくるかはわからないな…ラップは非常にマスキュリンなジャンルだ。アメフトのような世界だ。超タフなマッチョが大勢いるロッカールームで、仲間に急に”お前のこと好きなんだ”って言ったらどうなるだろうか。結構大変だと思う。」
例えは少し変だが、なんとなく今までのヒップホップ界の雰囲気が伝わってくる。これはAndre 3000も言っていたことである。スヌープは「俺にはゲイのホーミーもいるし、彼らに対しては別に問題はない」とも語っている。今回の「What is This?」がどのような議論を巻き起こすのだろうか?今後も注目である。リリック以外について感想があるとしたら、スヌープのラップも、Nottzのトラックもファンキーで非常に好みなトラックである。
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