「キャリアを長続きさせるには◯◯しないことだ」ベイエリアのバリバリ現役ベテランE-40が語る「ロンジェヴィティ」

 

 

ロンジェヴィティ

という言葉はPlayatunerにて頻繁にトピックとして取り上げている言葉だ。世間で時の人になった後、数年でシーンから消えてしまうアーティストもいれば、何年経っても多くのファンに支持されているアーティストもいる。アーティストとしては、そのように何年経ってもキャリアが安定している状態が好ましい。

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「アーティスト」としてロンジェヴィティがあるアーティストと言うと、誰を思い浮かべるだろうか。多くのアーティストの名前が頭に思い浮かぶなか、個人的にインディペンデントでかつ、ロンジェヴィティがあるアーティストと言ったらE-40を思い浮かべる。彼はインディペンデント・ハッスルで知られるベイエリアのシーンの第一人者であり、多くのアーティストが彼のキャリアを参考にしている。近年活躍しているアーティストのなかでは、G-Eazyなどが彼のフォーミュラをリスペクトし、グラインドしてきた

そんな彼がXXLの20周年のインタビューにてキャリアのロンジェヴィティについて語っているので紹介したい。

 

E-40:俺の「ロンジェヴィティ」への鍵は、早く爆発的に人気にならないことだ。素早く爆発してしまうと、人々は定着しない。気が付かないといけないのは、世間の人々はあまり忍耐強くないということだ。だから皆新しいものが出てきたとき、そちらに乗り換えたくなるんだ。逆に他と違うことをやって、一人一人にとって特別な体験を与えたりする。そして皆が右に進んでいるときに、一人だけ左に進む。そんなやつは俺みたいになれる。

もし俺が出てきていきなり400万枚ぐらい売ったとしても、まだ活動はしているだろう。でも今の俺のほうが感謝され、大きい影響を与えているだろう。プラチナやゴールド認定は俺もされているけど、俺はまだ成長している。

 

彼は「ロンジェヴィティ」のキーとして、早く爆発的に人気にならないというアドバイスを与えている。これは単純に「売れるな」ということではない。多くの「流行り」というものは、非常にサイクルが早い。特に新しい情報が常に入ってくるソーシャル時代では、興味の移り変わりも早い。そんななか、キャリア初期にいきなりそんな「時の人」となったとしたら、自分に共鳴したファンベースではなく、新しいものにいっとき心を奪われた人たちが「ファン」となる。そのような「ファン」が多い場合、また違う新しいものが出てきたとき、自分は注目されてなくなってしまう、ということをE-40は伝えているのだろう。

しかし特別な「体験」を提供したアーティストのファンは、体験をできる作品を求めて、チェックしてくれるのだろう。そして他違うことをやると、その「違うこと」を求めてチェックしてくれるファンが増える。これは以前「ストリーミングと音楽業界」をテーマにした記事でも書いたことなのだが、「他で聞いたことがある」ような音楽は消費され、「他にもこういう音楽を聞きたいけど、同じようなアーティストがいないからこのアーティストをリピートをするしかない」と感じるようなアーティストが長期的に成功するのだろう。

インディペンデントでプラチナ認定されたRuss。彼の活動から音楽業界の変換を考察する。

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