プロデューサーにフォーカス!Pharrell WilliamsとChad Hugoによるユニット「The Neptunes」【Booze House番組リキャップ】
2018年10月から2019年3月末までJ-Waveにて放送された、Playatuner代表Kaz Skellingtonがナビゲーターを務める番組「Booze House」。毎週木曜日26:00〜の30分間となっており、ブラックミュージックをはじめとする洋楽を掘り下げる番組だ。その放送の内容のリキャップを記事化し、実際にどのような内容を話していたのかを紹介したい。今回は2019年3月14日に放送された回、「プロデューサーにフォーカス!The Neptunes」で紹介された内容を記事化した。
The Neptunes
The NeptunesはPharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)とChad Hugo(チャド・ヒューゴ)によるプロデューサーユニット。90年代後半から2000年代にかけ、Billboardトップ100に24曲もランクインしており、2000年代前半のサウンドを作ったと言っても過言ではない。ファレルのHappyが流行ったときに、「え、ファレルって最近出てきた新人だと思っていた」と何度か知り合いに言われたことがきっかけで、彼らがプロデュースした楽曲を番組で紹介することにしたとKaz Skellingtonは語る。
Kaz:90年代後半〜2000年代前半の音楽で育った自分としては、もうめちゃくちゃ影響されているんですよね。彼らの「ネプチューンズ・サウンド」は独特で、割とチープな音であったり、音数も少なく、スカスカだったりするのに超かっこいいんですよ。Midiというか、カラオケの音源みたいな打ち込み感があるのに、かなり踊れる曲が多いです。
ファレルとチャドは、学生時代にサマースクールにて出会った。当時はファレルがドラムで、チャドがテナーサックスを演奏していたらしい。そこで「The Neptunes」を組み、ローカルのタレントコンテストに出場した際に、伝説のプロデューサーであるTeddy Rileyに発掘されたのだ。Teddy Rileyは80年代や90年代のニュージャックスウィングを代表するプロデューサーであり、Michael Jackson、Bobby Brown、Guy、Blackstreetなども手がけている。
Clipse – When the Last Time
2018年にリリースされた「Daytona」が大きな話題となったPusha Tであるが、彼が兄のNo Maliceと組んでいたClipseも、同郷であったThe Neptunesがプロデュースし、大きく世に出たユニットである。そんな彼らが2002年にリリースした「Lord Willin」から1曲「When the Last Time」をお送りした。Clipseというと、「Grindin’」が有名であるが、「When the Last Time」のほうが当時のサウンドスケープを象徴したビートとなっているように思えるとKazは語る。
Kaz:この楽曲も音数が少なく、ジャズやファンクからのサンプリングという手法から抜け出した、次の世代のヒップホップという感じがしますね。少しエレクトロ感もあり、少ない音数のなかでしっかりとキャッチーな音色を選び抜くThe Neptunesのセンスが光っている楽曲です。
Pharrell Williams – Frontin’
The Neptunesと言えば、表に出てくるファレルと、あまり表舞台に出てこないチャド。ファレルはソロでも楽曲を多くリリースしており、多くのヒット曲にてフィーチャリングされているからソロアーティストとして知っている人のほうが多いだろう。そんな彼の傑作「Frontin’」は音数の少なさ、スカスカ感、ギターのコード進行、Jay-Zの短いヴァースの前の展開、どれを取っても素晴らしい曲となっている。
この楽曲が収録されている「The Neptunes Present… Clones」というコンピレーション・アルバムもLudacris、Busta Rhymes、Snoop Dogg、Kelisなどが参加しており、面白い内容となっているのでオススメである。ファレル・ウィリアムスについては、Playatunerでも頻繁に記事を書いているので、要チェックである。
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N.E.R.D. – Rock Star
The Neptunesは知らないが、NERDは知っている人も多いだろう。2018年フジロックでも1日目のヘッドライナーを努めたN.E.R.D.は、The Neptunesの二人と、元々メンバーであったShay Haleyからなる3人組である。
Kaz: 彼らの1stアルバムである「In Search of…」の「Lapdance」とか、この「Rock Star」とかは、私個人としてもめちゃくちゃ影響受けていて。Rockstarとかは、MVも2000年代前半のスケーター文化とロックとヒップホップがごちゃまぜになっていた感じがあってナイスですね。この時代のスケーター文化の服装のラフ感とかも好きで、私は今だにそういう格好をしています。ちょうどトニー・ホークのゲームとかも流行ってた時期なので、ストリート文化がごちゃまぜになり、メインストリームに出てきた時代ですね。この曲も、ギターの歪みとかはゴリゴリなのに、そのなかでもThe Neptunesのスカスカ感があって聞きやすいですね。Tyler, the CreatorとかもN.E.R.D.からめっちゃ影響を受けていて、「Cherry Bomb」に収録されている「Deathcamp」とかはこの曲の影響が聞こえますね。「Deathcamp」はこれじゃなくて、ソウル・シンガーDee Edwardsの「Why Can’t There Be Love」をサンプリングしたわけですが。
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Justin Timberlake – Rock Your Body
Kaz:ファレルとチャドが、昔から多くのヒット曲をプロデュースしてきたって知らない人が僕の周りにも多くて、特にこの曲とか驚かれることが多い。これも本当にコードとかもめちゃくちゃシンプルで、初心者が弾くようなコードなんですけど、それでも素晴らしい曲が書けるってことを証明している楽曲でもあると思います。自分の最近の曲でもこれに影響されているものがあります。
Justin Timberlakeのソロデビューアルバム「Justified」は2002年にリリースされたが、今だにこのアルバムを超える男性ソロ・ポップアーティストのアルバムはなかなかない気がすると語るKaz Skellington。このアルバムは、The Neptunes以外にもTimbalandも参加しており、当時NSYNCを活動休止していたテインバーレイクが2ヶ月でレコーディングした作品となっている。
今回の感想
Kaz:今回はThe Neptunesについて少し語らせて頂いたのですが、この時代の音楽やスケーター文化は本当に自分の血と肉になっているなと感じました。あとやっぱり、自分の周りでも当時「ファレルってHappyで出てきた新人だと思ってた」と言ってた人たちが何人かいたんですけど、ラッパーとかに比べて名前が表に出ないプロデューサーにフォーカスを当てて、メディアが発信していく重要性を感じました。そのようなバックグラウンドを紹介していくことによって、アーティストに対するリスペクトも増えるし、アーティストへの想いも強くなってくる。音楽業界は今までここに投資をあまりしてこなかった気がしているので、今後もそういうプラットフォームを作れるように頑張りたいと思います。
次は、3月21日放送の「グレイテストラッパーは誰だ!?偉大なラッパーを解説!第②弾」のリキャップ記事を公開します。
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