Ludacris「俺の音楽キャリアはまだ終わっていない」成功を掴んだ今だからこそできること

 

 

南のラッパー

というと、今では様々なラッパーたちが頭角を表し、第一線で活躍をしている。しかし90年代には、メインストリームで売れている数少ないアトランタ出身のラッパーと言ったらOutKastであった。そして2000年代に入り、Ludacris(リュダクリス)のようなラッパーたちがメインストリームで大きく成功することになったのだ。

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南のラッパーのなかでも過小評価されているのがLudacrisであると感じる。先日のMTV Video Music AwardsではLudacrisのことを「番組Fear Factorの司会です!」と紹介されていたが、彼が映画などで活躍するうちに音楽での功績を忘れてしまったのか?とツッコみたくなる紹介の仕方であった。彼はアルバムとシングルを合わせて13枚のプラチナ認定作品をリリースしており、8つのアルバムのうちの5つがプラチナ認定されている。最初の2枚は米国だけで300万枚を突破している。この功績を持ってしても、世間的には「番組の司会」「映画に出ている人」という紹介のされ方をしてしまうのだ。(それかジャスティン・ビーバーのBabyでラップをしている人)

 

そんな彼であるが、頻繁に聞かれる質問として「もう音楽やらないで俳優にフォーカスするの?」という質問らしい。今年にTy Dolla $ignと「Vitamin D」というなんともLudacrisらしいMVをリリースしたばかりであるが、彼は現在アルバムを制作中なのである。彼はこのように語っている。

 

➖あなたの音楽キャリアはもう死んでるって言う人たちがいますが、どうですか?

Luda:そんなことないよ。俺の音楽キャリアはまだまだ生きてるさ。ただ時間をかけてるだけだ。9枚目のアルバムを作っていて、既に2000万枚以上のアルバムを売ってきたキャリアの段階にいると、音楽を作ることに時間をかけられるようになるんだ。このように作品の間に時間が空くと、だいたい「あいつはもう終わりだ」って意見が飛んでくるけど、俺は絶対音楽に帰ってくるよ。音楽がなかったらそもそも俺は今ここに立っていない。

 

作品に時間をかけると「あいつの音楽キャリアは終わりだ」という意見が飛んでくると語ったLudacris。彼は時間をかけているだけであり、絶対に音楽に帰ってくるらしい。このアルバムに時間をかけると言われる文句のようなものは、もしかしたら「コンテンツの消費が速い」現代ならではのものなのかもしれない。以前「音楽の寿命は短くなったのか?」という記事を書いたが、現代のストリーミングのビジネスモデル的にも、音楽はバンバン数多くリリースしていくのが、得策とされている。そしてソーシャル時代により、リスナーもその速度に慣れてしまっているのだろう。

そんななか、作品にたっぷり時間をかけて、自分のやりたいようにやるということは、Ludacrisのように既に大成功しているアーティストの特権になってきているのかもしれない。しかしその「アーティスト」として納得いくものをとことん作るという意図も、「リリースペースが遅い、キャリアが死んだ」と判断してしまう人がいるのも確かなことである。何にせよ、2000年代におけるLudacrisの功績は多大であり、満足行くペースで活動してほしいと思う。

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