J. Coleのレーベルが新しく契約したデュオ「Earthgang」を紹介。アウトキャストを彷彿とさせるアトランタスタイル

 

 

J. Coleのレーベル

Dreamvilleは現在のヒップホップにてトップレベルのレーベルであろう。2016年末にリリースした「4 Your Eyez Only」は初週で50万枚弱相当の売上を見せており、2017年の4月にはプラチナ認定された。さらに2017年の3月にはアトランタのSpillage VillageコレクティブのJ.I.Dと契約し、新人リリシストとして彼の存在を世に出した。J.I.DはPlayatunerの激推しラッパーであり、今年のPlayatunerフレッシュマンにも選ばれている。

J.ColeのレーベルDreamvilleの新人「J.I.D.」を紹介。ケンドリック+Anderson .Paak+Lil Wayneを彷彿

 

そんな現代のリリシズムを代表するレーベルDreamvilleが新たに契約したのが、またもやSpillage Villageの一員であるヒップホップデュオEarthgang(アースギャング)である。J.I.Dとも頻繁に共演しており、アトランタのリリカルヒップホップを引っ張る存在として活動をしている。アトランタと言えばトラップであるが、EarthgangはOutKastやダンジョンファミリーを少し彷彿とさせるスタイルであり、OutKastが確立したアトランタスタイルがEarthgangのなかで生きていると感じる。Earthgangは2008年にJonny VenusとDoctur Dotの2人によって結成されたデュオであり、高校時代のフィールドトリップで知り合ったらしい。彼らは2010年に1st EP「The Better Party」をリリースしており、なんとこの作品は大学の寮やクローゼットにてレコーディングされており、まさに「カムアップするラッパーにとっての環境」に当てはまる環境で制作が行われた。その後ハンプトン大学のジャズスタジオにて活動するようになり、恐らくその時期にJ.I.Dと出会っている。

(1st EP The Better Partyから。JIDがJiddという名前で活動していた。若い。)

 

その後彼らはアメリカツアーを周り、ファンベースを徐々に増やしていく。その後2013年にSpillage VillageのHollywood JBプロデュースの「The F Bomb」が入っているアルバム「Shallow Graves for Toys」をリリースし、Noiseyなどのメディアに絶賛された。彼らのキャリアが飛躍的に成長したのは2014年以降であった。彼らは2014年にAB-Soul、2015年Mac MillerのツアーOAを努め、2016年には今回の契約のきっかけともなったDreamvilleのBasのツアーOAを努めている。J.I.Dの話によると、そのときにJ.I.D.が参加したのがきっかけで、J.I.DがDreamvilleと契約することになり、その繋がりでEarthgangの素晴らしさをJ. Coleが再認識することになったのだろう。Earthgangはこの度このような動画を公開している。

J. Cole:世間的にはアトランタのサウンドは超トラップなイメージだし、Futureはそのレーンでは神のような存在だ。でも今日のお前ら(Earthgang)のライブにいた3000人の子供たちと、会場に入れなかった1000人は、同じアトランタでもお前らの音楽のほうに共鳴する人たちだ。お前らはずっとアトランタで活動してきたから、本当にこのカルチャーを描くことができている。そして俺みたいなアトランタの外から来たただのヒップホップファンがEarthgangを見ると「世間の人たちがこいつらを知ってたらなぁ…」と思うんだ。このレコードは本当にシーンを描いてるし、アトランタのヴァイブスが出ている。

だから俺はそんな作品を聞いて「まじかよ。最高だな」ってなるんだ。インパクトを残すアルバムというのは、そういうものだと思うし、お前らならできると信じている。だから俺の耳が必要な時はいつでも連絡をくれ。この作品はまじで馬鹿みたいにかっこいいよ。

 

Earthgangの新作を大絶賛するJ. Cole。このようにJ. Coleに言ってもらえるアーティストはなかなかいないだろう。J.I.Dに続き、J. Coleは非常にバランスの取れたアーティストと契約したと感じる。リリシズムだけではなく、自分の世界/カルチャーをもっているアーティストだ。そんなJ. Coleが大絶賛し、Dreamvilleからリリースした新EP「Rags」は下記から聞くことができる。一聴した感じ全体的にプロダクションもラップもクオリティが高く、以前の作品よりキャッチーなものとなっている。個人的には「Red Light」「House」が特に気に入った。

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