Rakim、自身のフロウの秘密をKRS-ONEと語る

 

黒人発祥の音楽としてこれまでにも深いつながりを持ってきたジャズとヒップホップ。

多くのDJやMCがジャズのレコードを幼少期から聞き、またジャズの演奏にも親しんでいたという事実も鑑みると、ヒップホップにはかなりジャズのエッセンスがふんだんに織り込まれていることは間違いないと言える。

そうしたジャズとの深い関わりを持ったヒップホップMCの一人がラキム(Rakim)だ。またもやヒップホップのパイオニアとして、レジェンドとされているKRS-ONEとのインタビューで自身のラップの書き方を語っている。ジャズの演奏のリズムや流れを取り入れたフロウはそれまでの力強く、自己主張の強いラップスタイルとは一線を画しラップの新たなる可能性を打ち立てた偉大なるMCとして知られる彼はこう語る。

 

KRS-ONE:インタビューで初期のラキムのインスピレーションはジャズのホーンから来てるってのを読んだんだけど本当?

ラキム:そうだね。ジョン・コルトレーンから来てるよ。実際にサックスを吹いてフローを考えていたんだ

KRS-ONE:え、ちょっと待て、今サックスを実際に吹いていたって言った!?(会場が盛り上がる)

ラキム:そうなんだよ。母さんが元々ジャズシンガーで兄貴がピアノから木管楽器を全部やっていた。その時から昔の良い音楽というものにインスパイアされるようになったんだ。だから幼稚園から小学校にかけてはリコーダーをやってて、小学校4年生でサックスをやりはじめたんだ。それでジョン・コルトレーンの音楽に恋をしたんだ。彼のリズムが俺の中で生きている

 

どうやら彼は小学校4年生から高校3年生までサックスを演奏していたそうだ。さらに彼はこう続ける。

 

ラキム:サックスを吹いていた時の経験からリズムを大きく1.2.3.4.で取るのではなく、もっと細かく区切り、その間のスペースに色々入れる。言葉でジョン・コルトレーンと同じリズムが作れると気がついたんだ。

 

思わずテンションが上がってしまうKRS-ONEであった。彼の独自のスタイルにはこうした背景があったそうだ。ヒップホップにありがちな偏見として、ラップはただ喋っているだけ、不良っぽい、といったものがあるが、Rakimの楽曲を聞けばラップがいかにメロディアスでリズミカルに、かつ知的なものになるかを理解できるだろう。

 

彼の流麗なフロウは今でも尚多くのアーティストにインスピレーションを与え続けている。ヒップホップに未だに根強い偏見を抱いている人は一度彼の楽曲に触れてみるべきだろう。