2Pac「Me Against the World」が23周年。2Pacが伝えた「ブルーズ」

 

 

2Pacの最高傑作

というと「Me Against the World」と「All Eyez on Me」のどちらを思い浮かべるだろうか?個人的には「All Eyez on Me」のほうが大作だと思っているが、メッセージの強さでいうとやはり「Me Against the World」には勝てないだろう。

All Eyez on Me」について書いた記事でも書いたが、この2作品の違いはまさに彼の心境の変化だと感じる。「Me Against the World」では若い世代をポジティブに引っ張っていく「ブラックリーダー」として、さらに若い黒人としての苦悩をラップするリリックが多かったが、5発も撃たれたり、無実を主張した性的暴行事件で4年の有罪判決が出たり、自分の事をはめた「敵」に対して「怒り」を「All Eyez on Me」では表すようになった。そんな「ヒップホップ×ブルーズ」を言っても過言ではない「Me Against the World」について少し紹介したいと思う。

 

名曲「Dear Mama」について


こちらに関しては以前書いた「名曲Dear Mamaから見る母Afeniと2Pacの関係性」という記事を参照して頂きたい。彼は母親のドラッグ中毒に振り回されながらも、最終的には「あなたに代わる人はいない」と母にたいするストレートな内容をラップしている。

そんな名曲「Dear Mama」であるが、なんと2Pacはトイレでリリックを書いたとこちらの動画にて語っている。「朝のセッションにて、難しくなく、ストレートなリリックを書いたんだ」と発言している。

 

アルバムのテーマ


2003年に出版された「Tupac: Resurrection 1971–1996」という本の中では2Pac本人の言葉としてこのうように示されている。

 

これはブルースのレコードのようなものだ。俺が恐れているけど、目を背けてはいけないことについてラップをした。皆俺がとてもいい暮らしをしていると勘違いするから、俺の苦悩を説明したかった。自分の最も暗い「秘密」的な部分を出すのにアルバム一つ使ってしまった。

 

若き「ブラックリーダー」


このアルバムのテーマの一つは「ストリートサバイバル」と言っても過言ではない。このアルバムにて個人的に一番好きなのはこの「Young Niggaz」という曲なのであるが、こちらのリリックはとてもインスパイリングである。フッドにて生きる若者の苦悩(父親がいない、母親がドラッグ中毒)をラップしつつも、若者にこのようなメッセージを伝えている。

「目先の欲とお金に囚われるな。自分の人生をはじめる前に、罪に手を染めて終わらすな。今から努力をすれば会計士にだって、弁護士にだって、医者にだってなれるんだ。

こちらの曲はまた再度詳しく解説したいと思う。「Wonda Why they Call U Bitch」と同じように彼はフッドで起こる問題について声をだしているのだ。

 

グラミーノミネート


「Me Against the World」はグラミー賞のベストラップアルバム、「Dear Mama」はベストラップパフォーマンスにノミネートされている。その時受賞作品は、Naughty by Natureの「Poverty’s Paradise」とCoolioの「Gangsta’s Paradise」であった。

 

売上枚数


ビルボード1位デビューをし、4週間トップをキープしたこのアルバムは初週で240,000枚売れている。2011年時点で350万枚以上売れており、2012年のコーチェラ・フェスティバルにて2Pacのホログラムが登場した次の週には1000枚追加で売れている。

 

このアルバムの凄さやメッセージを本当はさらに語るべきなのだろうが、別途の他の記事にて曲ごとに解説をしたほうがいいと感じたので、この記事はここまでにしておく。しかし2Pacにとって「ブルース」となったこのアルバムに込められた想いは声からも伝わってくるだろう。是非このアルバムを再度聞いてみてはいかが?