Playatunerが選ぶ2016年の年間ベストアルバム。20位〜11位
Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)
2016年ももう終わり
どうもSteezy, inc代表の渡邉航光ことKaz Skellingtonです。一年が過ぎるのは早いもので、あと3日で2016年が終わろうとしています。このPlayatunerというWEBメディアを本格的に運営しはじめてからもうすぐ1ヶ月がたちますが、毎日見に来てくださる皆様のおかげで、少しづつアクセス数も伸びております。ありがとうございます。
米ヒップホップ文化に根付いている「想い」や「理念」を日本の音楽ファンにも伝えたい!という想いから始めたのですが、今年はたくさんの名作が生まれた年となった気がします。というわけで弊社も2016年のベストアルバム20を選んでみようと思います。一応基準としてはPlayatunerで頻繁に取り上げたり、ヒップホップとして個人的に好みな作品を、頭を抱えながら選びました。それでは20位〜11位をどうぞ!
20位 Flatbush Zombies – 3001: A Laced Oddysey
今年待望のデビューアルバムをリリースしたFlatbush ZOMBiES。ランキング圏外にするか非常に迷ったが、インディペンデントながらこのクオリティの作品をリリースし、世界中をツアーした彼らの功績は讃えるべきであろう。全体的にトラップっぽいビートではあるが、音色としてはオールドスクールの感触を取り入れているのでとても聞きやすい。
19位 Dumbfoundead – We Might Die
LAを拠点に活動をする韓国人ラッパーのDumbfoundead。彼の新作では、エンタメ界のアジア人の立場について物申したり、アジア人ラッパーとして世間に改めて自身の才能を見せつけたと感じる。サウンドとしては以前の作品たちに見られる「オルタナティブ・ヒップホップ」感はなく、コリアンヒップホップの流行に乗ったのかな、という印象があった。個人的には「DFD」のアルバムが今でも一番好きである。
18位 Nxworries – Yes Lawd!
このアルバムはもう少し上の順位にいるはずなのかもしれない。アルバム全体を聞く前はトップ10には入るとは思っていたが、やはりEPに既に収録されていた“Suede”と“Linked Up”を超える曲がなかったので個人的には18位に選んだ。しかしAnderson .Paakのエンターテイナーとしての才能と、Knxwledgeの黙々とサンプルを使い込むビートのコントラストは素晴らしい。
17位 Chance The Rapper – Coloring Book
これも他社のメディアだと確実にトップ10に入るアルバムであろう。私もChance The Rapperをリスペクトをしているし、自主制作でここまでのクオリティを作れる彼は2016年を象徴するアーティストだと感じる。トラックもゴスペルを取り入れ、全体的に賛美歌のようなアルバムとなっている。彼のグラミーパフォーマンスはこちら
16位 DJ Khaled – Major Key
このアルバムは2016年のヒップホップを象徴するサウンドとなっていると感じた。このHoly KeyのBig Seanのヴァースだけでも、このランキングに載せる資格があると感じる。彼のヴァースは今年のトップ10ヴァースに入るだろう。この曲についてはこちらで解説している。
関連記事:DJ Khaledの息子(0歳)が次のアルバムのプロデュースをしているらしい
15位 Rapsody – Crown
今年はノースもサウスもカロライナ州のラッパーが活躍した年となったと感じる。そのなかの一人がRapsodyであろう。9th Wonderのレーベルからキャリアが始まった彼女であるが、今年の夏にJay ZのRoc Nationの一員になったとアナウンスされた。正直ラップスキルで考えると、現代の女性ラッパーの中でもトップレベルだ。
14位 Dizzy Wright & Demrick – Blaze With us
Dizzy WrightとDemrickの共作アルバム「Blaze With us」は今年のトップウィードアルバムと言っても過言ではないだろう。アルバムジャケットがMethodman & Redmanの「Blackout」のオマージュになっているところも好印象だ。ブームバップっぽい曲もあれば、トラップっぽいビートもあり、2人のラップスタイルが交差する感じが素晴らしい。
13位 YG – Still Brazy
このアルバムを聞いたとき、G-Funkが現代に生き返った!と感じた。90年代のジャンルとされていたG-Funkを、現代のサウンドで蘇らせたのがこのアルバムだろう。ハードなビート、高音シンセの歯医者サウンド、ぶりぶりのシンセベース、まさにG-Funkである。さらには今年の大統領選挙の主題歌と言っても過言ではない“Fuck Donald Trump”も収録されているので、間違いなくYGは2016年を代表するラッパーだ。
12位 Royce Da 5’9″ – Layers
Royceはエミネムの長年の友であり、Bad Meets Evilの片方として知られているが、彼のソロアルバムは素晴らしかった。さすがRoyceと言わんばかりのストーリーテリングである。この曲では、自分の人生にて起こった奇跡について語っている。自分のライブの日に、彼女が自分との子供を出産するので急いで病院に行ったところ、事故にあった祖母が同じ病院に搬送され、亡くなったという実話となっている。このような生と死の偶然から神の存在を信じるようになったとのこと。
11位 Run The Jewels – RTJ 3
今年のクリスマスに急遽リリースされたRun The Jewelsの新作。既に公開されていた曲からこのアルバムはかなり良いアルバムになると推測ができたが、やはり素晴らしかった。前に進む勇気をくれるプロテストソング“2100”も、Kamashi Washingtonをフィーチャリングしている“Thursday in Danger Room”も、正統派ヒップホップの血を受け継ぎながらも実験をしているのがわかる。
いかがでしょうか?皆さんの好きなヒップホップアルバムは入っていましたか?リストを見ると、今年は「新しい」ヒップホップの定義が変わった年だと感じますね。正統派の血を受け継ぎながらも、実験を繰り返しているアーティストが多い印象です。10位〜1位は記事が更新されたら、こちらにて公開します。
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