エミネムの長年の盟友、Royce da 5’9”はいつの時代も色褪せない感性を持っている。

 

20年近くマイクに火をつけ続けているRoyce da 5’9″

エミネムの長年のコラボレーターとして「Slim Shady LP」にフィーチャーされ世に出たロイスであるが、彼のリリカルセンスはエミネムに劣らないとも感じる。DJ Premierも「自身がプロデュースした曲ランキング」にて2位に上記の「Royce da 5’9″ – Boom」を挙げており、「ロイスのリリックで頭がおかしくなりそうだったよ」と語っている。

そんなロイスであるが、時代を超える感性とスキルを持っていると感じる。どんなスタイルのビートにノッても「Royce」のリリシズムを出すことができるのだ。ロイスというとどちらかというと正統派なビートの上で本領を発揮するラッパーだと思われているが、そんなことはないと証明する曲が公開された。先日彼がYouTubeにアップした“Wait a Minute”はトラップビートの上でスピットしているのである。

 

一般的なイメージとして、ロイスのようなリリカルなラッパーはトラップビートをあまり使用しないというものがあるだろう。しかしこの曲では、そのステレオタイプを覆すほどのロイスっぷりを出している。ラップの冒頭は他のトラップ曲のように3連符から入るが、徐々に誰にも真似のできない「彼自身」のフローになる。リスナーのトレンドに寄せるかどうかは難しい問題であるが、ロイスはサウンドはモダンで耳触りの良いものになっているが、MCとしてラップは手を抜かないという絶妙なバランスを見せている。トラックの雰囲気に流され、リリックやフローのレベルを下げるということはしないのが、彼の感性の凄さであろう。

 

たまに見る「俺はリアルなヒップホップをやるからトラップビートを使用しない」というオールドスクールラッパーと違うことがわかる。柔軟な頭と思考をもちながらも、「どんなビートであれラップで殺す」という固い理念をもっているロイスのようなラッパーは貴重であろう。

ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington)カリフォルニアOC育ちのラッパー兼、Playatunerの代表。FUJI ROCK 2015に出演したumber session tribeのMCとしても活動をしている。

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