Playatunerが選ぶ2016年の年間ベストアルバム。10位〜1位

Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)


 

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Best of 2016 Pt.2

どうもSteezy, inc代表の渡邉航光ことKaz Skellingtonです。一年が過ぎるのは早いもので、あと1日で2016年が終わろうとしています。このPlayatunerというWEBメディアを本格的に運営しはじめてからもうすぐ2ヶ月がたとうとしていますが、毎日見に来てくださる皆様のおかげで、少しづつアクセス数も伸びております。ありがとうございます。

米ヒップホップ文化に根付いている「想い」や「理念」を日本の音楽ファンにも伝えたい!という想いから始めたのですが、今年はたくさんの名作が生まれた年となった気がします。というわけで弊社も2016年のベストアルバム20を選んでみようと思います。一応基準としてはPlayatunerで頻繁に取り上げたり、ヒップホップとして個人的に好みな作品を、頭を抱えながら選びました。それでは前回の20位〜11位に続き、10位〜1位をどうぞ!

 

10位 Kendrick Lamar – untitled unmastered.


 

2016年の頭、Kendrick Lamarが突如「To Pimp a Butterfly」に収録されなかった曲を集めたアルバム「untitled unmastered」をリリースした。この作品はマスタリングをしていない状態の楽曲が収録されているので、マスタリングという作業をする前がどのようなサウンドになっているのかを知ることができる。アルバムに収録されないのがもったいない楽曲ばかりとなっているが、たしかに少し攻めている感じがあるのでTPABに混ぜるのは難しいと感じた。

 

9位 Common – Black America Again


Commonがこのタイミングで「Black America Again」という作品をリリースしたことは、2016年のアメリカにとって大きな意味を持つであろう。警察から不当な扱いを受けてきた黒人たちや、過激なトランプサポーターから差別的な扱いを受けた人たちを勇気づける作品となった。

 

8位 De La Soul – and the Anonymous Nobody…


クラウドファンディングで資金を集めた数々のアルバムのなかで、ビルボードラップチャート1位を獲得した初の作品となった「and the Anonymous Nobody」。初週で21000枚売れた作品となり、De La Soulのキャリアで初のビルボードラップチャート1位デビューとなった。全体的に大人なサウンドとなっており、ベストラップアルバムとしてグラミーノミネートされている。

 

7位 Childish Gambino – Awaken, My Love!


Playatunerでも度々取り上げてきた「Awaken, My Love!」。いつものラップアルバムがくると思ったところ、このような70年代を彷彿とさせるようなファンクアルバムがきたので、完全に予想外であった。Funkadelicをリスペクトしつつ、近年の流れも汲み取ったこの作品は、ファンク好きの私としてはとても楽しめた。

 

6位 Kanye West – The Life Of Pablo


さまざまな著名人の全裸蝋人形をベッドに並べたりトランプを支持表明したあとに入院したり、今年はカニエ・ウェストが世間をお騒がせした年となった(いつもかもしれないが)。確かに彼の行動に関してはさまざまな意見が飛び交ってはいるが、「The Life of Pablo」はカニエのディスコグラフィーを「ヒップホップ」としてというよりは、「音楽」として次のレベルにステップアップさせたと言っても過言ではないだろう。「こんなの昔のカニエのヒップホップじゃない」という人もいるかも知れないが、サウンドとしてのクオリティは素晴らしい。

 

5位 Anderson .Paak – Malibu


Anderson .Paakは2016年のMVPと言ってもいいだろう。過去にホームレス経験がありながらも、去年Dr. Dreに見出され、ここまで上り詰めたというサクセスストーリーだけでもトップ10に入る資格があると感じる。彼のライブを見る機会があったのだが、彼のようなアーティストがいれば、音楽業界の未来は明るいと感じた。

 

4位 Dizzy Wright – Wisdom and Good Vibes


14位に続き、再びDizzy Wrightの登場である。あまり他の音楽メディアのリストには入らない作品かもしれないが、Dizzy Wrightは確実に過小評価されていると感じる。26歳の彼は、20代のラッパーのなかではトップレベルに入るであろう。グッドヴァイブスを広める彼の曲はもっと広まるべきだと感じる。実際これはアルバムではなく、EPという形であるが、8曲収録されているのでアルバムと言ってもOKであろう。

 

3位 Various Artists – The Hamilton Mixtape


ブロードウェイ・ミュージカルの「Hamilton」の曲をさまざまなアーティストがリミックスし、演奏した「The Hamilton Mixtape」。「Hamilton」はイギリスから独立し、アメリカという国が創生するときに活躍したアレキサンダー・ハミルトンを題材にしたミュージカルであり、さまざまな賞を総なめしている。。The Roots, Busta Rhymes, Joel Ortiz, Nas, Usher, Ashanti, Ja Rule, Queen Latifa, John Legendなどの名だたるアーティストが参加している。

 

2位 A Tribe Called Quest – We got it from Here… Thank You 4 Your service


これを正直1位にするかかなり迷った。できることならば、同率1位にしたいと感じる。このアルバムがこのタイミングでリリースされたことに感謝をしないといけないだろう。現代のアメリカを切り取った「We The People….」がシングルとしてリリースされ、人々に音楽の力を見せてくれたと感じる。昔のサウンドを焼きまししただけではなく、新しい流れを汲み取ったサウンドをもいえる。実際にQTipは制作の際に、ケンドリックのTPABに影響されたと話している。アルバムタイトルは故ファイフ・ドーグがつけたが、他のメンバーはこのアルバムタイトルに込められた意味を理解していないとのこと。グラミーパフォーマンスも素晴らしかった。

 

1位 J. Cole – 4 Your Eyez Only


1位はJ .Coleの「4 Your Eyez Only」。2位のATCQとどちらを1位にするか迷ったが、このアルバムのメッセージを伝えないといけないという使命感から「4 Your Eyez Only」を1位に選んだ。アルバムという形態の存在価値が薄れてきている近年にて、「アルバム」を一つのストーリーとして、素晴らしいノンフィクションを届けてくれたJ. Coleは、現代No.1リリシストと言っても過言ではない。このアルバム最後の曲“4 Your Eyez Only”の最後のヴァースを聞き、他の曲のリリックが誰の視点で書かれているかを理解した瞬間、私は涙をしてしまった。

 

いかがでしたか?これがPlayatuner代表が選ぶBest Of 2016 10位〜1位でした!2016年は例えるなら「サウンドトラックは最高だけど、ストーリーとしては最低な映画」のような年だった気がします。さまざまなスターが亡くなり、アメリカの政治も混乱に陥ったりしましたが、リリースされた音楽は最高の作品が多かったです。来年も音楽的にいい年になると願うばかりです。2017年もPlayatunerをよろしくお願いします!

【代表ブログ】2016年の年間ベストアルバム。20位〜11位