推薦シリーズ:皆さんの「レジェンドリスト」にDaz Dillingerを追加しませんか?
G.O.A.T.
とは英語で「Greatest of All Time(史上最高)」という意味であり、要するに自分のなかで「どの時代でも最強!」というふうに敬意を表す表現である。ヒップホップ界のGOATと言えば誰を思い浮かべるだろうか?Rakim、Dr. Dre、Nas、Jay Z、エミネムなどだろうか?
そんな「GOATに入るかも!」というアーティストを集めたリストを勝手に「レジェンドリスト」と呼んでいるのだが、音楽ラヴァーな皆さんももちろん似たコンセプトのリストを作っているだろう。そんなリストをもっている方のために、今回から「推薦シリーズ」というのを始めたいと感じる。
推薦シリーズとは?そう、皆さんの「レジェンド/GOATリスト」にギリギリ入るか入らないかのアーティストがいかに凄いのかを紹介するシリーズである。少し過小評価されていると感じるアーティストの魅力を紹介していきたいと思う。その第一弾は
Daz Dillinger
Daz Dillingerについては「Tha Dogg Pound」の記事にて既に紹介しているが、彼のウェストコーストヒップホップにおける功績ははかりしれない。Tha Dogg Poundの一員としてデビューした彼はDr. Dreの後継者と言っても過言ではない。若い頃からデスロウの一員として、Dr. Dreからプロデューシングを学んだ彼は、Dr. Dreがレーベルを去った後のヘッドプロデューサーとなったのだ。ということで彼の功績をいくつか紹介をしたい。
Tha Dogg Pound
彼の強みはラッパーというよりやはり「プロデューサー」としてのスキルであろう。彼のトラックはDr. Dreよりさらにラフであり、残忍なギャングスタ像が見えてくる。リリシストとしては相方の「Kurupt」のほうが評価をされているが、決してDazのラップも負けてはいないと感じる。Tha Dogg Poundのデビュー・アルバム「Dogg Food」はアメリカで300万枚以上も売れており、全盛期後のデスロウを支えた。
2Pac「All Eyez On Me」での功績
先日紹介した2Pacの生前最後の作品であり、最高傑作とされている「All Eyez On Me」のディスク1では、Dazがヘッドプロデューサーを努めている。アルバムのオープニングとなる「Ambitionz Az a Ridah」からスヌープ・ドッグとのコラボ「2 of Amerikaz Most Wanted」まで、Dazの重いビートがこのアルバムのカラーをつくったと言っても過言ではない。
このアルバムは1000万枚以上の売上を見せており、Dazの功績を色付ける一つの大きな要因となった。
Daz Dillingerソロ
2Pacの死後、デスロウからKuruptもスヌープ・ドッグも脱退したのである。しかしレーベルに残っていたDaz Dillingerは、ほぼ全て自分でプロダクションを手掛け、ソロアルバム「Retaliation, Revenge and Get Back」をリリースした。誰もがデスロウに余力が残っていないと感じていたところ、Dazはこのソロデビューアルバムにて50万枚以上の売上を達成したのである。
その後は自身もデスロウを脱退し、Kuruptなどのアーティストのプロデューサーを努めた。その後の彼らのアルバムは売上的には以前の作品に勝つことはできなかったが、G-Funkサウンドの正統伝統者として、ウェストコーストG-Funkの火を絶やさないように努めている。
いかかでしょうか?このように西海岸ヒップホップに多大な功績を残したDaz Dillingerを皆さんの「レジェンドリスト」に入れませんか?
ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington):カリフォルニア州OC育ちのラッパー兼Playatunerの代表。umber session tribeのMCとしても活動をしている。
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