YGの「Meet the Flockers」と同じ手法でアジア人家庭を強盗した若者たち。問題視される楽曲について考える。

 

問題視される楽曲

はたくさんあるだろう。アーティストの行動が問題視されるのは今に始まったことではない。エルビス・プレスリーが「腰を振っている」ことが問題になった時代もあったり、N.W.A.が「Fuck the Police」と自由に主張したときも社会でも問題になった。50年前と比べると楽曲の表現の自由の幅が広まっていると感じる反面で「影響される人が出てくるから規制すべき」という理由でテレビ番組等の内容も変わっているだろう。

そんななか、YGのとある楽曲が原因でアジア人たちプロテストされていたのは知っているだろうか?YGと言ったら「Fuck Donald Trump」のイメージが強いが、今回再度話題になっているのは「Meet the Flockers」である。2016年にも中国人コミュニティからプロテストをされていた楽曲であるが、問題はこの楽曲の内容である。

こちらはYGが空き巣/強盗をする手順を説明する部分からはじまり、「①中国人の住宅街を見つけ空き巣に入る」という内容になっている。当たり前であるが、これが原因で中国人たちからバッシングされているのだ。この曲はYGのショートフィルム「Blame it on the Streets」にも登場しているので、そちらのサントラとも言えるが、実際にはその映像内でも中国人住宅街に空き巣に入る様子が描写されている。

そしてこの度、LAで空き巣で捕まった18~19歳の若者たちがYGの当楽曲にインスパイアされ、犯行に及んだとTMZがレポートしており、さらなる議論を巻き起こしそうだ。このような議論を見るたびにエミネムなどがプロテストされていたことを思い出す。しかし「アート」としての表現と、実際に手順をラップするのはまた別問題なのかもしれないとも感じる。エミネムやマリリン・マンソンなどは過激な内容ではあるかもしれないが、実際に「これをやれ」と促すような内容というよりは、自分の内面からくる感情を単にぶちまけているほうが多い気がする。(明らかにジョークで言っている場合も多い)

今回のYGに関しては彼が育った環境についてラップしているだけなのであるが、その一部分を切り取ってしまっているので、それを真に受ける人は出てくるだろう。本来は映画と同じく、音楽の内容を真に受けずに、論理的に考える力をつける教育がされるべきなのであるが、音楽になると映画よりはるかに真に受けてしまう人が多いと感じる。ここで一つ思い浮かぶのは2Pacが語っていた「無責任なラッパー」というものである。もしYGがここまで「リアル」なラップをするのであれば、その「結果」も是非「Meet the Flockers PT.2」としてラップするのがいいのかもしれない。

そう考えるとエミネムの「Stan」も過激なストーリーにもなっているが、その「結果」とメッセージが正しく伝わるまで詳しく心情が描写されているので、あれを聞いて「Stanみたいになろう!」と考える人はいないだろう。

2Pacが語る「無責任なラッパー」とは?どのようなリリックが無責任になるのだろうか?

いいね!して、ちょっと「濃い」
ヒップホップ記事をチェック!