MC EihtとDJ Premierの「Which Way Iz West」全曲ストリーミング。西のレジェンドが集合したアルバムを1聴レビュー

 

 

コンプトンのベテラン

という言葉を聞いたとき、誰を思い浮かべるだろうか?このような質問はいつもPlayatunerで問いかけることであるが、「コンプトン」で括ると人物は絞られてくる。そのなかに確実に入るのはCompton’s Most WantedのMC Eiht(MCエイト)であろう。彼はジョージア生まれ、コンプトン育ちのギャングスターラップを代表する存在である。以前彼とDJ Premierのコラボアルバムが発売になると紹介をした。

コンプトンベテランのMC EihtとDJ Premierのアルバム「Which Way iz West」が発表。アルバムに込められた想いとは?

 

元々は5月に発売される予定であったが、6月30日に発売が延期になった。しかしこの度、NPRにて全曲が公開され、サイト内でストリーミングできるようになっている。(iTunesでもリリースされました

 

一回だけ聞いて印象を語る『一聴レビュー』

全曲を一聴した印象は、「90s西海岸と東海岸の融合」である。元々楽曲を聞く前からそうなることは予想ができたが、ブームバップトラックに西海岸風のシンセが少し挿入される雰囲気は、懐かしさもありつつ、ある意味新しくも感じる融合だと感じる。Brenk Sinatraは12曲もプロデュースしており、ヨーロッパ出身であるからか、トラックの雰囲気も少し東海岸とは違う「暗さ/重さ」があると感じる。B-RealやThe Lady of  Rageのようなウェストコーストベテランのラップが乗った瞬間にテンションがあがるのは私だけではないだろう。

一聴して私が最も気に入ったのはTha Dogg PoundのKuruptがのっている「Gangsta Gangsta」である。シンセベースとリードシンセがまさに西海岸を感じさせるが、バスドラが詰まっている感じが普通のGファンクっぽくなさを演出している。現代のLAビートシーンの影響も感じられ、「新旧LA」という雰囲気を味わうことができる。Kuruptのヴァースがもう少し長かったら完璧である。

Xzibitがフィーチャーされているのも注目ポイントなのだが、ある意味予想外なトラックであった。Xzibitの声がこのようなスペーシーでウェーヴィーなシンセと親和性があったとは驚きである。全体としては、超絶バンガーがあるわけではないが、全曲通して楽しんで聞けるクオリティのアルバムとなっており、今月リリースされたアルバムのなかで最も気に入った作品かも知れない。

こちらで全曲ストリーミング!

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