ケンドリック・ラマーが自分のアルバムをランク付け!彼の「最もワックな曲」とは?パート①

 

 

この時代のグレイテスト

だと思っている。これは私の持論だが、ケンドリック・ラマーはこの時代のマイケル・ジャクソンやプリンスレベルのアーティストであり、100年後のシェイクスピアだと感じる。彼がこの時代にもたらしたインパクトは計り知れないだろう。彼の素晴らしさを書き出したらキリがないので、彼の素晴らしさの一つを書いた下記の記事を是非読んで頂きたい。

エミネムとケンドリック・ラマーが共感される理由を考える。ストーリーテリングと多重視点

そんな彼は「この時代で最も偉大なアーティスト」になっても、ラジオなどに出演して楽しくインタビューを受けるような人である。彼がBigBoyのNeighborhoodに出演した映像を全編みたのだが、全会話がかなり面白かったので、いくつか紹介したいと感じる。

 

インタビュー内で大きな話題はいくつかあったが、そのなかでも最も話題になりそうなのは「自身のアルバムをランク付け」と「自分が最も偉大だと思うか?」という質問である。彼は自身のアルバムをこのようなランキングにした。

4位:Section.80

3位:To Pimp a Butterfly

2位:good kid, m.A.A.d city

1位:DAMN.

さらにこの結果に関して、彼はこのようにコメントしている。

 

ケンドリック:DAMN.は俺のなかで、全部のハイブリッドなんだ。ついに今までのアルバム全部からの要素をとることができた。To Pimp a Butterflyのメッセージ、g.k.m.c.のビートが強くスラップする感じ、Section.80のルールを作らずにとにかく自分の好きなことをやった感じ…これらの3つを全部とったらDAMN.になったんだ。

BigBoy:まじか…もう俺からは何も言えないんだけど、やっぱりケンドリックにもなると、「みんな必要以上に俺の発言を深く考えすぎるな…」と思うことはある?

ケンドリック:もうかなりヤバイ推論とか色々聞いたよ(笑)例えば俺がDAMN.をリリースした後に3枚ぐらいアルバムを毎週リリースするみたいな説とかね(笑)でもどうやってたどり着いたかはわからないんだけど、そんな説のなかでも、まじでまだ情報公開してない曲について当たってるやつとかがあったりして。掘り下げ方がクレイジーだよ。

 

DAMN.は彼にとって、今までのハイブリッドだと語った。さらにDAMN.がリリースされた直後に出ていた様々な説もあり、今ではケンドリックが言うことを全部分析する人たちが増えたとも語っている。Playatunerでもそのような説は紹介した。実際にDAMN.に入ってはいないが、気に入っている曲がたくさんあるらしい。さらにインタビューは面白い方向に進む。アーティストとしては、かなり貴重な会話だと感じる。

 

BigBoy:むしろ自分の曲で、最もワックな曲って何?

ケンドリック:俺の最もワックな曲か…多分YouTubeで見つけることができるけど(笑)曲名は「Bitch I’m in the Club(ビッチ、俺はクラブにいるぜ)」だよ(爆笑)でも昔はこの曲が俺らにとって最高だったんだよ(笑)

BigBoy:再生しよう!今だったらそのような曲は書くと思う?

ケンドリック:いや多分書かないな…

(再生する)

ケンドリック:BigBoy気に入っているふりするのやめてよ(笑)

BigBoy:いやまじで良いと思うよ!例えば、昔この曲を作って周りの人たちに聞かせたとき、「これめっちゃワックだから」とは紹介しなかったでしょ?

ケンドリック:いや、当時は最高だと思ってたね。

BigBoy:そういうことだよ。俺が良いと思ってはいけないことはないよね?今は積み上げてきた作品のカタログがあるから、自分ではそう思うかもしれないけど

ケンドリック:一つわかることは、当時の自分が吸収できている範囲が、ラジオとテレビしかなかったということだな(笑)

 

これはアーティストにとっては貴重な会話だと感じる。これは私も、私の周りにいるミュージシャンにも当てはまるのだが、自分が成長をしたことにより、過去の作品を毛嫌いする人は多い。しかしその当時の「感性」を大切にする必要もあるということだ。最低限のスキルができていれば、それは過去の感性をキャプチャーしたものになる。確かに「Bitch I’m the Club」はかなりシリーで、「これが俺のシングルだぜ」というリリックも笑ってしまうぐらいコマーシャルではあるが、過去の曲としては聞けば当時の彼の感性と、今への成長の過程を見る貴重な資料になる。

このインタビューは「さすがBigBoyだ」と言いたくなるぐらい面白い話が多く、まだまだ紹介をしたい箇所があるので、パート②では「自分が最も偉大だと思うか?」、③では「TDEとの関係」「DAMN.に込められた意味」を紹介したい。パート②はこちら!

ケンドリック・ラマー「過去の自分に挑戦し続ける」前に進み続けるモチベーションとは?

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