エミネムが「The Eminem Show」のインスピレーションについて語る。【The Eminem Show15周年】
エミネムの最高傑作
と言ったらどれを思い浮かべるだろうか?これは非常に意見がわかれる質問であり、むしろ選ぶことができないという方も多いのではないだろうか?「The Slim Shady LP」のフローとリリシズム、「Marshall Mathers LP」のアグレッシブネス、「The Eminem Show」の完成されたサウンド、これらの3つで迷う方も多いだろう。
そんなエミネムのメジャー3rdアルバムの「The Eminem Show」は今年の5月26日に15周年を迎えた。米国だけで1千万枚以上売れた名作アルバムであるが、この度15周年バージョンがリリースされるとの報道もある。そんななか、エミネムはインスタグラムにて、このアルバムのインスピレーションについて語った。
エミネム:The Eminem Showのコンセプトは映画「The Truman Show」から来ている。当時俺の人生がサーカスのような感じになっていたからだ。常に世間に監視されている気分だった。だからあのアルバムはジム・キャリーが作ったようなものだ。
「The Truman Show」とはジム・キャリーが主演を務める風刺コメディ映画であり、彼の人生自体が常に世間に監視されている「テレビ番組」というコンセプトとなっている。ジム・キャリー役の主人公はそれに気が付かずに生活するが、徐々に違和感を感じることになる。様々な問題を抱え、さらに世間からもバッシングされていたエミネムはまさに「The Truman Show」の主人公のような心情となっていたのである。
このコンセプトを聞いたときに、思い出すのが2Pacの「All Eyez On Me」である。以前「All Eyez on Meの制作秘話を8個紹介」という記事でも書いたように、このアルバムも同じような理由でタイトルが付けられているのだ。「世の中が俺の次の動きを気になっているんだ。」と語った2Pacであるが、このような状況は、世の中にアグレッシブなメッセージを伝える「スター」の宿命なのかもしれない。その状況に耐えられず亡くなってしまったスターも多くいるだろう。そのような意味でも、エミネムのオチャラけた曲調からも、彼の込めた「皮肉」やクレバスのように深い「暗い感情」が読み取れる。私はエミネムが言葉の深層に隠した「想い」に夢中になりながら過ごせたことを光栄に思う。
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