Jay Zがベンチャーキャピタルファンドを開始する。Jay Zビジネスの成功について考察

 

ヒップホップビジネスマン

というフレーズを聞いて最初に思い浮かべるのはJay Zであろう。彼はロッカフェラ・レコード/ロックネイションのCEOとして自分の帝国を築いただけではなく、音楽以外の分野においてもビジネスマンとしての頭角を現している。彼のビジネスマンっぷりは弊社でも度々紹介しているが、彼のビジネスにおけるメンタリティは素晴らしいものだ。そんな彼がVCファンド(投資会社)を立ち上げるとのニュースが入ってきた。

Jay Zの起業家人生から学ぶ」という記事でも書いたが、彼は「大きく動くことに拘っている」ことがわかる。一レーベルヘッドだけでは終わることができない性格なのであろう。シュグ・ナイトのように一時はレーベルとして成功したが、その後に鳴かず飛ばずになる人と、Jay Zのようにトップに君臨する人の違いはどこにあるのだろうか?単純に考えてみた結果、2つの違いが思い浮かんだ。

 

お金の使い方


これは単純なことかも知れないが、成功を維持できる人と、一時的に終わってしまう人では「お金」を使用する用途が違うと感じる。この記事のトピックなので分かりやすいかもしれないが、長期的な成功をする人はいわゆる自分にたいする「投資」をしている場合が多いと感じる。お金が入ったときに、それをインスタで自慢するようの宝石に使ってしまうのか、自分の後の活動に有利になるようなものに使うのか。アーティストであれば一番分かりやすい自分への「投資」は制作環境である。

これは大金持ちではないアーティストだけに言えたことではなく、個人で活動しているアーティストにも共通することだと感じる。ギャラや給与を全て飲み代に使ってしまうのか、自分さらにいい音楽を作るために投資をするのかで随分と変わってくる。

Jay Zの起業家としての人生でも書いた「自分のビジネスが自分のブランドだと理解しろ」ということに当てはまるのかも知れないが、これを勘違いしているアーティストも多いと感じる。「ブランド」というものは中身がともなってはじめて心の奥深くに根付くものだと感じる。Soulja Boyなどに見られる「表面だけのブランディング」には意味がなく、「自分への投資」の仕方が物凄く表面的なアーティストはやはり長期的な成功を収めるのが難しいだろう。

その「お金の使い方」の最強バージョンがJay Zなのである。自分のポートフォリオを多様化し、「自分は何をやっても成功できるスキル」を持っているということを証明するレジュメを作り上げることが出来ているのだ。もちろん「音楽」を売って成功することを1stプライオリティにしていたので、彼の「音楽」でのブランディングはMCとしてのスキルから来ている。しかし音楽で成功した後、彼は既にUber、航空会社のJetSmarter、ネイルポリッシュのJulepに投資をしている。それ以外でもファッションブランド、タレントエージェンシー、NBAチームオーナーとしても彼は自分の成長に向けてお金を使うことにより、「ポートフォリオ」を多様化してきた。

 

使えるリソースは全部使う


シュグ・ナイトやかつて成功していたレーベルヘッドとの違いは、やはり他人を巻き込む力であろう。Jay Zの起業家としての人生でもこの「リソース」の部分は書いたが、彼は目的を達成するために他人と協業することに抵抗がない。近年で一番分かりやすいのが「スプリントがTidalの33%を取得した」ことであろう。もちろん他人と協業すると、必ずしも自分が王様でなくなる。しかし彼は他人と議論をし、「ビジネス」ができる人材なのだ。ビジネスとは、お互いの妥協点をいかに上手く見つけることかだと感じる。その妥協点の見つけ方、相手の妥協点の提案の仕方がとてつもなく達者なのであろう。

Tidalの件に関しては様々な意見を聞くが、TidalはJay Zが買収してから評価額が10倍以上になっているのであるその33%を手放すことにより、彼は今まで持っていなかった通信業界人としてへの切符を手に入れたのである。これはまさに「自分への投資」だと感じる。今後彼が通信業界を巻き込んで、音楽業界に革命を起こすときのために、彼は既にその鍵を手に入れているのだ。

スプリントがJay ZのTidalの33%を買収したことに関して。スプリントにどのようなメリットがあるのか?

そう考えると、Jay Zが今後はベンチャーキャピタリストとして活躍するのも、違和感のある話ではない。彼は恐らく自分のポートフォリオを多様化すると同時に、Tidalと協業できるようなビジネスをやっているスタートアップに投資していくのではないかと感じる。彼の起業家としてのマインドセットは見ていてとても刺激になる。彼はどこまで大きくなるのだろうか。

(追記:VCをやっているのは彼だけではない)

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