少年ジャンプ「BORUTO」を読んでヒップホップとブラックミュージックを感じた話

 

少年漫画とヒップホップ!?

Playatunerではヒップホップが趣味の読者が多いだろう。もちろんそんなヒップホップ好きな皆さんでも、他にもスケートだったり、スポーツだったり多数の趣味を持っていると思う。その好きなことの中には「少年漫画」が入っている方も多いのではないだろうか?私も正直詳しいとは言えないのだが「うしおととら」「からくりサーカス」「ジョジョの奇妙な冒険」「HUNTERXHUNTER」らへんは大好きで全巻集めている。

ドラゴンボールがヒップホップにどう影響をしたか

そんな私は一応毎週少年ジャンプを読んでいるのだが、こないだ「BORUTO」を読んでいて「あ、これ音楽に共通するな」と感じた部分があったので、その時感じたことを紹介したい。

 

ボルト V.S. モモシキ


ここからはネタバレになってしまうので、ネタバレされたくない方はここでストップして頂きたい。実は私はNARUTOを最後まで読んでいないいわゆる「ニワカ」なのだが、BORUTOはなんとなく読んでいた。

そんなBORUTOの第9話にて、「ボルトが作った小さい螺旋丸にナルトが手を添え、めっちゃ大きい螺旋丸を作る」というシーンがある。「ドラゴンボールのセルを倒したときの悟飯と悟空かな?」と思ったのはさておき、このような熱い展開が好みの方は多いのではないだろうか。下記のサイトにてイメージつきで詳しくネタバレされているので、イメージが湧かない方は是非チェックしてみてほしい。

【BORUTOボルト】ナルト続編最新第9話:サスケがボルトに与えた策【ネタバレ感想】

 

ナルトが息子ボルトの手の下に自分の手を添え、ボルトの螺旋丸に自分のチャクラを送り込み、巨大な螺旋丸を作るわけだが、その巨大な螺旋丸を感じたボルトが言った言葉がピンときた。

ボルト「この・・・重み・・・一体ここまでするのに・・・一体・・・どれだけの・・・」

そう、ボルトはナルトの経験と人生を感じとり、その重みに驚くのだ。ここで重要なのは、その描写には今までナルトがお世話になった人や、ナルトのはじめての螺旋丸や、死んだ仲間などが出てきており、「人から人へと受け渡されたバトン」的なニュアンスがあることだ。ここにブラックミュージックを感じた。

 

音楽やアートとの共通点


音楽(特にブラックミュージック)はまさに「人から人へと受け渡されたバトン」だと感じる。サンプリングという分かりやすくバトンを受け渡している手法はもちろんだが、それ以外にも「縦の繋がり」をとても大切にして成長してきたジャンルである。ボルトが父親の螺旋丸を見てはじめてその「重み」が視えたように、音楽を聞いたときにその「重み」を視ることができるのか。そこが今後の音楽業界の成長にとっても重要なポイントとなってくると感じる。

サンプリングで言うと例えば、Public Enemy「Fight the Power」などを聞いたとき、先日他界してしまった「Funky Drummer」として知られるクライド・スタブルフィールドの顔やジェームス・ブラウンが思い浮かび、彼らから今までの「積み重なり」の重みを感じることができるのか、は分かりやすい例である。

またはブルーノ・マーズが下記のライブ中に、「Funkadelic – Knee Deep」のオマージュを入れたときにジョージ・クリントンや、先日他界してしまった「Junie Morrison」が作ったシンセの世界観に感謝することができるのか、というのもいい例かも知れない。Dr. Dreの「The Chronic」から感じる「重み」についてはまた後日みっちり書きたいと思う。

他にもたくさんの例があると思うが、そのような「重み」が視えてくることにより、さらに音楽が好きになる人が増えるのではないかなと感じる。このような「積み重なった想い」を伝えることが、音楽業界に一番足りなくて、一番必要なことなのかも知れない。

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