テラス・マーティンがケンドリックとリアーナの「LOYALTY.」の制作秘話について語る。
ケンドリック・ラマー
のDAMN.がリリースされ1週間が経ったが、この作品の話題は尽きることがない。以前「Thundercatがケンドリックを語る」という記事で書いたようにケンドリックの作品は「現代の人たちがシェイクスピアを研究するように」、いつまでたっても人々に研究されると感じる。そんな彼のDAMN.内でも人気曲と言ったらリアーナとのコラボ曲である「LOYALTY.」であろう。個人的にはDUCKWORTH.が一番好きだが、「LOYALTY.」が次のシングルとしても選出された。
そんな人気曲の「LOYALTY.」に関して、ケンドリックの長年のコラボレーター/プロデューサーが語っているインタビューが非常に面白いので紹介したい。彼は米FADERにて制作秘話をこのように語った。
Terrace Martin: 最初にこのプロジェクトの話がでたのはTo Pimp a Butterflyの最中だった。俺らは「今までやったことのないことやりたいな」みたいなことを話し合っていて、TPABが音楽的にもエクストリームなことをやったり、昔の音楽とかから影響されているなかで、DAMN.では全く逆のエネルギーを出そうとしていたんだ。
なんとTPABを制作している最中にすでにDAMN.の話題が出ていたらしい。ケンドリックがいかにアイディアマシーンかがわかる。さらにテラス・マーティンはどのようにしてトラックができたかを語った。
Terrace Martin:俺がRapsodyと9th Wonderとコラボをしていたときに「LOYALTY.」のトラックのアイディアができたんだ。9th WonderはKhrysisという名前のプロデューサーを抱えていて、彼がブルーノマーズの「24K Magic」のサンプルを使ったビートを作って送ってくれたんだ。それを聞いた瞬間に「うお。まじか。めっちゃいい。」って思ったんだ。それを聞いて、このサンプルを逆再生したり、キーチェンジをしたり、他のメロディをつけたり、色々やりたいというアイディアが浮かんできたんだ。
サンプルを逆再生して、Sounwaveに連絡したんだ。そこからSounwaveとDJ Dahiと共にスタジオに入って共同制作が始まった。そこからドラムとかをのっけていったんだだけど、そのドラムが入った瞬間にケンドリックは「おいこの曲はリアーナにのってもらうぞ!」と言ったんだ。
ブルーノマーズの「24K Magic」のトークボックスのサンプルを使用したこの曲。トークボックスに関しての特集はこちら。なんとケンドリックは聞いた瞬間にリアーナに歌ってもらうヴィジョンを持っていたらしい。
Terrace Martin: DahiとSounwaveとのコラボは美しい瞬間だった。俺は音楽は1人でやるべきじゃないものだと思っている。音楽は利己的なものではないと信じている。Sounwaveは俺のクリエイティブブラザーだ。キャリアのはじめから一緒にものを創ってきた。俺のホーミーだ。
Dahiは他とは違うんだ。彼は違うアプローチをするような人で、俺の知っているなかで最も速くドラムのアイディアを出せる人だ。俺の人生であんなに速くてパーフェクトな制作をする人はみたことない。それを聞いてSounwaveが曲にするんだ。Sounwaveは何を聞いてもそこから曲を作ることができるんだ。そしてケンドリックが最後にメロディを作った。とても美しい体験だった。
テラスマーティン、DJ Dhahi、Sounwaveとのコラボにより生まれたこの曲のビート。それにケンドリックの「ミュージシャン」としての耳が働き、メロディとリアーナの歌がのったのだ。もう一枚のアルバムはリリースされなかったのだが、どうやらケンドリックはまだいくつか曲を持っているらしいので、untitled unmasteredのようにしばらく経ったら何かがリリースされるかもしれない。
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