J DillaやNujabesに影響され、超絶プレイでも魅せるキーボーディスト、Anomalieインタビュー!Playatunerラジオ番組テーマ曲も公開 #jwave #booze813

Playatunerラジオ番組テーマ曲配信開始!

 

 

J-Wave × Playatuner

2018年10月からJ-Wave にて、Playatuner代表Kaz Skellingtonがナビゲーターを務める新番組「Booze House」が始まった。毎週木曜日26:00〜の30分間となっており、ブラックミュージックをはじめとする洋楽を掘り下げる番組となっている。

この番組ではJ-Waveとタッグを組み、番組で話した内容のリキャップをPlayatunerにて記事化している。また、番組情報を発信していくツイッターアカウントは下記となっている。

 

記念すべき第10回放送では11月26日に初来日公演を行った、カナダ出身のキーボーディストの革命児Anomalie(アノマリー)のインタビューをメインにお送りした。AnomalieはFacebookのタイムラインに表示された広告がきっかけでファンになって以来、キャリア初期から動向を追いかけていたアーティストである。Playatunerでも「Best of 2017」の11位に選んでおり、彼のヒップホップ/エレクトロ/ジャズ/フュージョンを混ぜ合わせた唯一無二のスタイルには常に注目していた。

今回の一曲目は、そんなAnomalieの初来日公演のオープニングアクトを努めたバンド、umber session tribeの新曲「Dopamine」を初オンエア。Anomalie来日公演と同じ流れを意識した選曲となった。

 

 

Anomalieショートインタビュー

 

Kaz:昨日はお疲れ様!盛り上がりもあって、いいライブだったね。まずはベーシックな質問から入りたくて、色んな音楽から影響を受けてるのはわかるんだけど、どのようにして音楽の世界に入ったの?

Anomalie幼少期から音楽ととても近い環境で育ったんだ。母親はピアノの先生で、父親はクラシカルについて語るラジオ番組をやっていて。だからクラシカルをやる環境で育って、高校に入ってエレクトロニックな音楽にハマったんだ。Skrillexとかdeamau5とか、そういうDJを聞いていた。当時は、彼らの楽曲にあるシンセとかはシーケンスされたものではなく、全部演奏されたものだと思っていたんだ。後ほどそれらはシーケンスされたものだと知ったんだけどね(笑)

その後、ジャズ・フュージョンを聞きはじめて、ハービー・ハンコック、オスカーピーターソン、チック・コリアなどを聞いたとき「これが求めていたものだ!」って思ったね。そこからはヒップホップのバンドに加入して、90年代ヒップホップを聞きはじめて、J DillaやNujabesとかに影響をされるようになる。

Kaz:J Dillaからの影響について聞こうと思ったんだよね。ちなみにJ DillaとNujabesは同じ誕生日だよね。

Anomalieそう!凄いよね。後はロイ・ハーグローヴ、ディアンジェロなどは影響されたよ。

 

2曲目:Anomalie – Metropole

 

Kaz:友達とかにAnomalieの音楽を紹介するときに、どのように説明すればいいのか悩むんだよね。CD屋さんとかでは、大体どのアーティストもレファレンスされる界隈とかあると思うんだけど、Anomalieの場合はどのような界隈でレファレンスされたり、どのような人たちとツアーとかをしているの?

AnomalieフランスとかではFKJとかがレファレンスされることが多いかな。後はTennysonとかも一緒にやることもあるし、僕もファンだよ。今度FKJとTennysonと同じフェスに出るよ。

Kaz:あーなんとなくわかった。そういえば今思い出したんだけど、GramatikのレーベルLow Tempから「Metropole 1」はリリースしているんだよね?Gramatikのビートが好きでラップリミックスも前にしたんだよね。

Anomalieそうそう!Gramatikとはツアーもしたし、彼はまたヒップホップやブームバップのようなビートを作りはじめるって言ってたよ。最高のプロデューサーだよ。

 

Kaz:日本では「Metropole 1」と「Metropole 2」は一緒に出てるけど、「Metropole」シリーズはどのようなコンセプトで作ったの?

Anomalieこの「Metropole」というプロジェクトは、僕のホームタウンであるモントリオールからインスピレーションを得ているんだ。美しい街で、文化やそのバイリンガルな面も愛している。Veloursはアブストラクトだけど、それ以外の曲は全て街の特定の場所をイメージして描いたんだ。僕の楽曲にはリリックはないから、そのようにして自分にとって特別な場所から受けたインスピレーションを楽曲にしている。メッセージ性はないかもしれないけど、自分の記憶を音で描いて、それをリスナーが解釈する感じだね。

音楽的な面では、「Metropole 1」はもっとヘヴィなビートで、シンセのリードが目立つものにした。G-Funkのようなアプローチを取ったんだ。「Metropole 2」はライブでもバランスが取れるように、ピアノをメインにした曲も多く、クラシカルやジャズの影響をもっと出した作品を作ったんだ。

 

3曲目:Anomalie – Canal

 

Kaz:最後に、Anomalieのカムアップ/グラインドというか、今に至るまでどのような経験をしたのか教えてほしいな。これは毎回アーティストに聞くようにしているんだけど、特に日本では社会的に自分がやりたいことを貫いたり、自分の熱意を追いかけたりすることが難しかったりする場合もあると思う。だからアーティストのそのような経験を聞くことによって、インタビューを聞いている人たちにとっても何かを得るものがあったらいいな、と思って。

Anomalie自分は幸い環境には恵まれていたんだよね。親はどちらも音楽関連の仕事をしているし、今までの仕事もずっと音楽を作ってCMのBGMとしてピッチするとかだったから、ずっと音楽はやることができた。でも人生で経済的に本当にキツイこともあって、僕が言えるのは「やりたいことに100%コミットする」ってことかな。

周りが「最初はソロでツアーして、お金が溜まったらバンドを雇うのが最適だ」って言うなか、僕は最初からライブバンドでツアーをしていたんだ。有名じゃないのに、いきなりバンドメンバーを連れてツアーをしていたから、最初は赤字ばかりだったし、借金もしていた。でもそこで「良いライブを作り続ける」という信念を持ってやり続けたから、ライブの評判もうなぎのぼりで、徐々にライブのオファーも増えてきた。ツアーも経済的に上手く回るようになって、今はもうその借金はない。それは最初から100%でやってきたおかげだと思う。

根気強く、100%でコミットする。そして仕事に対する熱意を持って活動する。これが重要なことかな。

 

彼とのインタビューで最も印象深かったのは、「街の特定の場所をイメージして曲を描いている」という部分だ。これを知っているのと、知らないのだと楽曲に対するイメージも違うだろう。例えば彼の楽曲で「Notre-Dame est」と「Notre-Dame ouest」という曲があり、「est」と「ouest」はフランス語で「東」と「西」にあたる。彼がその場所の東側と西側にて感じたことを聴き比べてみるのも面白いだろう。

 

最後に、余った放送時間でこの番組「Booze House」のOPジングルのフルバージョンを初公開したのでこちらも要チェック。

 

この放送は12月13日までRadikoのタイムフリーで聞くことができる。

12月13日の放送は「クリスマスを題材にしたヒップホップ曲!」

LAのアンダーグラウンド・ベテランEvidenceの「人生と愛と死」 #booze813 #Jwave

 

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